大きな腕は私のモノ
景気よく転んでしまった。擦りむいた私の膝からダラダラと血が出ている、あーあ こんなんだったらスカート長くしときゃよかったなー。じんじんと痛む足 私は立ち上がれなかった。血が滲むそこには 少し粒の大きい砂がついてて 痛みを我慢しながらはらった。
ぬっと、大きな影ができた。
「せ!先輩...!大丈夫ッスか??」
見た事あるような感じの男の子が私を上から見下ろしてた。
「あー、コケちゃって ドジだよね」
「膝すごく血が出てるじゃないッスか!立てるっスか?」
とっても大きな手が私の腕を引っ張ってくれた、めくれ上がったスカートを少しだけ直して私は男の子の腕にもたれかかった。
「名前は?」
「1年の壁山っス!」
「壁山君 ありがと、ごめんね」
「いいッスよ! 歩けるっスか?」
優しい子だなーって思いながら、大丈夫歩けるよなんて少し強がって一歩踏み出すと また転けてしまった。だいぶ 膝を強く打ってしまったようだ。
「駄目じゃないっスか!」
男の子の声と同時に...ふわっと身体が宙に浮いた。筋肉質な腕と柔らかいお腹が私を包み込むように お姫様...だっこ、されてる...?私。
「壁山君! 重いでしょ...!おろして!」
「俺こんな体っスよ?先輩の1人や4人くらい余裕っス!」
にこっと笑い保健室までダッシュっスー!と元気のいい声で私を 保健室に連れて行ってくれる壁山君...。無邪気に笑う優しい壁山君に 私は...。
「ありがとう 壁山君...」
「お安い御用っスよ!」
筋肉質な腕に頬を少し擦り寄せて、私は 大きな彼の腕の中でじっと していた。恋の始まりってイタイものだけど こんなに素敵な出会いならもっと痛くてもよかった かもなんて。
20180301
壁山にお姫様抱っこされたい人生だった。