ガリガリッ__
「!」
雨の音だけが静かに響いていた中に突然生まれたその擬音。
音源は容易に想像が出来て、しかしそれと同時に深く吐くは溜息。
ローはいつも通り散歩に出ていた。
朝から空はずっと雲に覆われていて、いつ雨が降るかわからない天気だったから早めに帰ってくるように念を押していたのに。
…ローが帰ってきたのは雨が降り出して30分は立っていた。
「っ遅い!!雨降ったら早う帰ってこいって…__?!」
たまには思いっきり叱ってやらねばと、そうして勢いよく窓を開けたのだが。
「……」
そこには、思っていた以上の数のそれがいた。
「…コイツらも入れてやって欲しいニャ」
ずぶ濡れのそれらは各自思い思いにフルフルと身体を振ったり耳を掻きむしっていたりしていた。
猫が一匹、猫が二匹、猫が三匹、…そして何故か一番端には、モルモットが一匹。
「……お友達?」
「俺のお供ニャ」
「シャチっていうニャ!よろしくニャ!」
「俺はペンギンだニャ」
「僕はベポだニョ!」
各自聞いてもいないのに律儀に挨拶してくれた。
ローとは違って礼儀正しいではないか。
…けれども最後のそれだけ微妙に言葉がおかしかったのは、気のせいだろうか。
「よし、お前ら遠慮なく上がるニャ」
「「お邪魔しまーす」」
「…って、ちょっと待て!!!」
やっほーいと喜びを全力で表すかのように、彼らは部屋に飛んで上がってきて。
「こら!濡れた身体で部屋を駆け回るな!!」
「早くタオルもってこいニャ」
「何で上から目線やねん!」
「風邪ひくニャー寒いニャー」
「早く拭いて欲しいニャ!」
…こいつら自由か。
前言撤回、さすがはローのお友達…お供と言うべきか。
「広い部屋だニャー」
「っだからジッとしてろっての!」
「ん?これは何ニャー?」
「っこら!探るな!!」
そうして雨の音だけが響いていた部屋は、いつの間にか猫の声と自分の怒号で騒々しくなっていた。
ウェルカム、ふれんず。
類は友を呼んだ。