02 -突然の告白-
どうか私の嘘を
見抜かないでください――
Link.02 -突然の告白-
「蓮二センパイ」
『何だ、彩愛』
「ちょっとお話が」
『丁度良い、俺もお前に話がある』
そう言って私達は部室を出る。
蓮二先輩から話って…
なんか怖いな。
「あの、蓮二せんぱ」
『
何を吹き込まれた?』
「…はい?」
『まったく、分かり易過ぎるんだ。お前は』
「…あ、あの…」
お願い、蓮二先輩。
私の嘘を…見抜かないで。
迷惑かけたくないの、みんなに…精ちゃんに。
「私は…何も吹き込まれて無いです」
『嘘を吐くな』
「嘘じゃないです!」
これくらい、大したこと無いの。
中学校の時だって、こんなこと沢山あった。
今更、辛くなんかないのに…。
「本当に…何でも無いんです、何もされて無いんです」
『彩愛…』
「…私、仕事があるんで。失礼します」
余計な事を、頭に入れなくても良いの。
私はみんなの重荷になりたくない。
完璧なマネージャーでいたいの――。
『よっ、彩愛!』
「…!あ、赤也…っ…」
『お、おまっ…何かあったのかよ?』
蓮二先輩の尋問から解放されて安堵の涙が。
とかは言えないけど。
「赤也…」
『何だよ?』
「私ってそんなに分かり易い?」
『あぁ?まぁ、そうなんじゃねえの?』
「…そっか」
ハッキリ言ってくれやがって畜生。
赤也なんて嫌いだ。
『なぁ、彩愛。困った事があったらすぐ言えよ?』
「えっ…」
『お前何でも一人で溜め込むからよ』
何で赤也までそんな事…
私の事なんて放っといてくれれば良いのに。
みんなに心配なんてかけたくないのに…。
「赤也には関係ないよ」
『大有りだっつーの』
「それは…私がマネージャーだから?」
マネージャーが問題起こしたら困るから?
だからみんなそんなに優しいの?
『はぁ?ちげぇよ、俺はお前の事がすっ』
「……すっ?」
『す…す、好きなんだよ…ッ!!』
………はい?
今なんて言いやがりました?
好き?誰が?
赤也が?私、を…?
「え…
えぇぇぇええええ!?」
『気付いてなかったのかよ!』
「気付いてないって言うか…本気で言ってるの!?」
『あ、当たり前だろ!』
何ソレ、何なんだろう。
えっと…
ちょっと待ってくれよ。
私の頭がまだボケてないならば、私…赤也に恋バナとかした覚えが…。
「うっわ、マジか…!ごめんなさい、超無神経女だった!」
『
今更かよ。…ああ、でもあの時は確かに傷付いたよなぁ』
「何を…言ってしまいました?私…」
『
"精ちゃん以外見えてないのに、何で私の想い伝わらないんだろう?"だっけな』
はっ、恥ず…!
精ちゃん以外見えてないって…
何を赤也に言ってるんだ私ぃ!!
「ごめん…。ついでに…ごめん」
『何で2回なんだよ』
「1回目は無神経でごめん。2回目は…私は精ちゃんが好きですのごめん」
『俺に、可能性はねえのかよ?』
「…うん、ごめん」
どう頑張っても叶わない恋なのに、それでも私は精ちゃんが好きなんだ。
『ま、分かってたけどな』
「…落ち込むな、赤也」
『
お前のせいだろ、お前の』
「…すみません」
傷付かないで欲しいって思うのは、自分勝手だよね…。
誰も傷付かない恋なんて、ないんだ。
誰かが幸せになる分、見えない所で傷付いてる人もいる。
何だか…恋って難しい。
私もいつか、終止符を打たなければいけない。
この恋に…
終わりはあるのですか…?