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※銀時♀、裏注意





雨の日はどうも気分が高揚する。
それは昔からで、何でかと聞かれても理由はわからない。




「ぁ……あん…っぁん…。」

「はあ……はあ…っ」

繰り返し行う律動に、目の前の白い肌は悩ましげにうねる。
かと思えば、物欲しそうに腰を振ってくるので厄介なものだと思う。




(もう何度目だ……)

俺が最初に攻め立てれば、もう無理だとこいつは反抗する。
だが次第に奥へと欲しがるように体を熱くする。
なんて流れを繰り返してたら歯切れが悪くなり、どこで終われば良いのかよくわからなくなってきた。




「ぁ…っしんすけ…っ」

「銀時…っ」

「あぁんっ…あんっ」

欲望のまま淫らに喘ぐ銀時に、性器が肥大になっていくのを高杉自身も感じていた。
お互いにもう体力はすり減っているというのに、ここまで燃え上がるのはお互いの淫乱さか。
それとも、




「っぁあぁ…ッッ!
も……イっ……あぁっああっ」

「あァ…天国見せてるよ…っ」

「んっあぁッッ
あぁああーッッ!!!」

ぎゅうっと柔らかい体がしがみついてくる。
小刻みの吐息。
大きく震える腰。
そしてお互いの下肢をじんわりと濡らす愛液。

女としての天国を味わう銀時を見届けた後、高杉も最奥で精子を放った。
銀時の膣が精子を受け止めてくれる感触。
腰と一緒ににゅるりと動く膣に、高杉も射精後の余韻に浸る。




「ぁ…あ…………ぁん…。」

息を整えながらも、高杉の射精に銀時もピクピクと感じる。
そして全てを搾り取ろうとゆっくりと腰を揺らし、高杉を喜ばせようとする。
これがいけないのだ。




「銀時……。」

「…ぁ……ん…。」

「少し、休むぞ…。」

「ン……まだ…抜かないで…。」

「銀時…。」

「あったかくて…きもちいい、から…。」

性器を抜いてはダメと言わんばかりに抱きついてくる銀時。
それには高杉も困ったが、甘えてくる銀時に心が跳ねてしまったので、仕方なく受け入れる。




(また始まったな…)

銀時の入れたままにしてほしいというおねだり。
何度も射精し、それほど硬さはなくなった性器を、銀時は入れたままにしてくれと頼んでくる。
昔はそんな事は言わなかったが、少し前に入れたままにしてしまった際、何かに目覚めてしまったらしい。

銀時からしたら、柔らかい亀頭や性器が中で擦れて心地良いとのこと。
硬い性器に攻められるのとはまた違った快感らしいのだ。
女としての悦楽を教え込んでから、そして愛し合うようになってから、変なものに目覚めたものだと思う。
まぁ人のことは言えないが。




「晋助…。」

「どうした。」

「雨…やまないね。」

意味を含んだように問う銀時に「そうだな」と答える。
わかっているのだ。
俺が雨の日に興奮しやすいということが。
そして情事後の色っぽい吐息で名前を呼ばれるのが弱い、ということも。




「ン……ん…。」

腰をくねらせては、高杉の性器を咥えたり引いたりを繰り返す。
そうして自分の中の良いところに当てているらしい。
ぬちゅぬちゅといやらしい水音が、雨と混じって聞こえる。
そして快感を味わう銀時の吐息も耳元で感じる。




(手強いな…)

ゆっくりと腰を揺らし続ける銀時。
そして良い所を突いたのか、亀頭が擦れた途端に、首を反らして甘い声を出した。
そこは銀時の弱点。
よく律動で攻めていくところだ。
既にまた、愛液が溢れているのに、本人は気付いているのだろうか。

そして高杉も同様に。
ゾクゾクとするような背徳感とは違う、どこかピリピリとして、少し痛いくらいに感じる悦楽の刺激を受けている。
抜かないでいれば、当然感じてしまうのは男の性。
それをわかってやっているのか、ただ自己満足のためだけなのか、どちらにせよまた性交をすることになるのは間違いない。




「…俺の一物を玩具にして、そんなに楽しいか銀時ィ。」

「ン……ん…。」

「そんなに楽しみたきゃ、そこらの玩具でも良いだろ。」

「…それは、だめ。」

「何でだ。」

「晋助のが良いから…。」

晋助しか知らなくていい。
俺は俺なりに、晋助の性器を味わってるの。
そう告げた銀時は、腰を引きすぎてズルリと抜けた性器を手で持ち、再び中に入れようと亀頭を陰部に擦りつける。




「ぁ…っ……ここも…良い、かも…。」

「そりゃ、俺の口で散々イかせたところだからなァ。」

「…あん…っ……ぁ……あ…っ」

亀頭が陰部を擦る最中、陰核に当たって銀時は気持ち良さそうにする。
そして気に入ったのか、執拗に陰核を亀頭で弄り始めた。
高杉の体に抱きついていたのをやめて、布団に身を任せて間接的な自慰を続ける。

お互いの体液がくちゅくちゅと陰部で混ざり合う。
右へ左へと、亀頭によって向きを変える陰核。
それを感じ、頬を火照らせて快感に悦ぶ銀時の表情。
下手をすれば達してしまいそうな我慢大会に、高杉は己の忍耐力を必死に働かせた。




「はぁ……はぁ…ぁん…。」

「銀時ィ…。」

「ぁ…ん…。」

せめてものの反撃、ということで耳元に近付いて名前を呼ぶ。
とびきり低い、ため息混じりの声で。
それも快感に繋がるのだと、銀時から教わったのだ。




(…甘ったりィ)

気持ちも、匂いも、音も、全てが甘い。




「銀時…銀時。」

「はぁ…はぁ……ン……しんすけぇ……。」

「気持ちいいか。」

「ぁん……きもちい…。」

とろりとした銀時の表情や声に釘付けとなる。
性交後の余韻、ましてや自分の性器を使われているとはいえ、ここまで胸を締め付けられるのは銀時だけ。
それを本気の愛だと気付くのに、お互いに少し時間がかかってしまった。




「きもち…いーよぉ……しんすけ…しんすけぇ……。」

「っ……は、」

ダメだ。
今の銀時は俺の心臓も、理性までをも奪う。

舌足らずな声で、うわ言のように自分の名前を呼ぶのは理性が崩れた証拠。
そして自慰に疲れたのか、性器を握る手に力が入らなくなってきた。
それを察した高杉は、銀時の唇を優しく塞ぐ。
これ以上、俺を誘惑するなと想いを込めて、ゆっくりと舌を絡ませた。




「ん…ン……は…ふ。」

「は………、」

「っ………ひ…ふけぇ…。」

「ん……っ」

熱く深く絡ませる舌と唇に、銀時も高杉の首に腕をまわして応える。
互いに見つめ合ったまま。
唇の角度を変える時、少しの休憩の時も、うっとりと見つめ合う。

熱を帯びた銀時の目には、自分しか映っていない。
お互いのことしか考えられない。
今この瞬間、世界が滅んでも気にならないぐらいお互いに夢中なのだ。




「はぁ……んン……んン…。」

「は………銀時ィ…。」

「すき……しんすけぇ……すき…。」

「ん……。」

「だいすき……。」

「あぁ。」

「ン……あいしてる…しんすけぇ…。」

「俺も、」

しっとりと汗ばむ肌を抱き寄せて、堅くなり始めた性器を陰部に当てる。
お互いの想いを露見する、甘くて熱い夜。
素直な気持ちを告げられる大事な瞬間だった。




「愛してる…銀時。」

「あぁっ
しん…すけぇっ」

すんなりと入った性器は、また柔らかい肉壁に包まれる。
歯切れの悪い性交なのに入れてしまえば求め合ってしまう。

以前、銀時が俺と溶けたいと申し出た。
熱帯夜での逢瀬で性交をすれば、最後にはそんな感覚になるだろう。
そこで銀時の提案がきたのだ。
一緒に溶けて、混ざり合って、そのまま蒸発できたら良いと。




(なかなかのロマンチストだからな…)

漫画や雑誌に影響されやすいのは女の性か。
まぁヒロインの相手に選ばれたのは喜ばしいことだな。
となると、この物語の終わりはどこへ向かうのやら。
ひとまず今はイき地獄だろうが。




「んン…っぁ…あ……っぁ、」

「はぁ…っはぁ…、」

肌が激しくぶつかり合う音。
揺さぶられているのか、自分から揺れているのか、わからないぐらい同調して腰を振っていた。
わけのわからない乱交はこれで一旦しめる。
その思いで最奥を突き続け、銀時の焦点が合わなくなってきた頃にその体を強く抱き締めた。

熱い。
苦しい。
気持ちいい。
自我が保てなくなりそうな一歩手前、銀時の体がぶるりと震え、強い力で性器が締め付けられた。
銀時が何度目かの絶頂に達したんだなと理解した瞬間、高杉も銀時の中に射精する。




「はぁ…はぁ…ん……ンー…っ」

「っ……はぁ…、」

喘ぎ声が止んで、荒い息遣いが響く。
それに次いで鼓膜を震わせるのは雨の音。
何故雨の音で興奮するかは未解決だが、気持ち良さそうに余韻に浸る銀時を見たらどうでも良くなってしまった。




(俺としたことが、)

ここまで優柔不断になるとは。






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