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※銀時♀、モブ姦、裏注意






昔々あるところに兎と狼がいました。

2匹はいつも一緒で、とてもズル賢い獣でした。

ある日その2匹は興味本位で恋愛の真似事を始めました。

口説いては距離を置く狼。

それに乗っかったフリをする兎。

お互いを挑発しながら、それでいて熱烈に交わりながら。

遊び半分でも満たされていた青春。

終わりのない道はそこから始まった。









兎と狼









「晋助…。」

「何だ。」

「ちょっと…白粉臭いんだけど。」

「嫉妬するお前もそそるなァ。」

「誤魔化すんじゃねぇっての。」

男の手が銀時の着物に触れる。
そしてゆっくりと脱がし、下着姿の銀時にそのまま性器を挿入しようとしてきた。
これではダメだと、銀時は男の腹に1発入れようと拳を構えた。
が、優しく手を包み込んできたため失敗に終わる。




「…ほんとの狼男かよ、」

満月の夜。
男は突然現れ、銀時を頼ってきた。
体の傷や血のにおい。
そして女の汗と体液のにおいも薄く感じる。
そんな男は銀時の小言を受けつつ大人しくする…わけもなく。
呼吸をするように口説いては押し倒し、欲望のまま襲いかかろうとしてきたので、ストップをかけていた。




「なんだ、つれねぇな。」

「そりゃ堂々と雌を引っかけてきたなら尚更だろぶぁか。」

「俺は引っかけてねぇ。
あっちが勝手にのしかかって腰振ってただけだ。」

「被害者ぶってんじゃねーし。」

「まぁ…そんだけ俺の子種が欲しいのかと様子見してたらこの有り様。
女を囮にする輩に天誅下したんだぜ?」

「だからってお前の株が上がるかっつーの。」

「そう言うお前も他の雄と交尾してたろうが。」

「10年も放置しやがった狼に言われたくありませーん。
断罪デース。」

「そうカリカリすんなよ。」

「ふん。」

「銀時。」

名前を呼ばれて顔を上げれば、軽い口付け。
嫉妬と疑問でモヤモヤした空気だが、これが始まってしまうと高杉のペースに持っていかれる。




(ちくしょー…)

流され続けて十数年。
狼に毎度のことながら流されている。
だから今度は、こっちから仕掛けないと。




「ん……晋助。」

「あ?」

「あっためてあげるから、きて?」

銀時は手を伸ばし、高杉を受け入れようと試みる。
あえて高杉に甘えて隙を見せる作戦。
これはどうだと待っていると、高杉はニヤリと笑って強く抱き締めてきた。

荒んだ心を温めるにはこれが一番。
鎮静しつつ、あわよくば愛される。
肉食に調教された兎は、見事なロールキャベツ系女子となっていた。




(俺の方が重いんだかんな…)

胃もたれするぐらいの愛を喰らいやがれ。




「……………。」

「………………。」

「………………。」

「…………晋助。」

「…………………。」

「まず、着替えだから。」

体温を共有させながら、銀時は高杉を横にさせる。
先程よりもだいぶ温かくなった体。
これは好都合だと、銀時はストックしてある男物の着物を取った。

血のついた着物の処理はお手のもの。
ついでに体も拭えば、傷の治療もできる。
高杉とそういう仲になってから、もしもの時のサポートは銀時の役目。
汚い共同作業というか共犯だよなと、頭で割りきりつつも銀時は黙々と作業を続けた。

しばらくして、高杉の着替えは無事完了。
あとは静かに寝てくれれば、と思ったがそこは獣。
ビンビンに勃起している性器を堂々と見せつけてくる。
先走りも溢れて、早く吐き出したいと熱を持っていた。




「これ見よがしに垂らすのやめてくんない?」

「この子種はお前のもんだからな。
エロい兎の中に早くぶちこんで犯したいのさ。」

「んだよそれ。
俺はお前のオナホールじゃ、」

「おら。」

「わっ」

腕を引かれ、高杉の体に倒れこむ。
とっさのことでも受け身を取り、なんとか高杉の体に負荷を与えないようにした。
そして兎は狼の言い付け通り、寄り添うように寝転がる。




「……晋助?」

「あぁ、銀時。」

「ん……。」

「今はお前のにおいを感じてェ… 。」

良い具合に発情してくれよ、銀時。
そう呟くと、高杉は銀時を押し倒し首筋に吸い付く。
喉を噛みたがるのは信頼の延長線。
狼がしきりに吸い付いては、鎖骨や肩、二の腕まで唇を移動させた。
どうやらじわじわと興奮させる作戦らしい。
焦れったい刺激に腰をくねらせつつ、食べられるかのような感触に鼓動が高鳴った。




「ん……はぁ…ぅ…ん…あっ……ぁっ」

頭がボーッとしてくる。
いつの間にかブラが外され、狼は乳房や乳首を食べ始めた。
少し強めの刺激に、銀時の腰は小刻みに跳ねる。

陰部がジンジンと熱を持っても、銀時はあえて触らずに高杉の愛撫を待つ。
これが狼である高杉との性交。
快楽優先の他の雄では得られない、心の充実感と安心感。
合間に挟む口付けは何度も何度も繰り返して離れない。
ふわりと感じる高杉の甘いにおいに、銀時もつられて愛液を滲ませた。




(しびれちゃう…)

はやく、もっと、しんすけと…。




「はぁ…んっ…あっ……あぁん…。」

「可愛い銀時…。」

「ん……。」

「狼の帰りを待つ兎には、褒美をやらねぇとな。」

「っ……ん、」

「愛してる…。」

「あっ……ん…ぁっ」

「俺を悩ます女は、お前だけ…。」

それが俺を滾らせる。
情熱的で、艶かしく、甘いにおいのするお前は、この俺を本気にさせた。
罪深い兎だ。

語りかける高杉の声は優しい。
その声音に誘われるがまま、銀時は唇を重ね続ける。
繰り返し重ね続けては、愛を呟き注ぎ込む。
だが次第に、高杉のペースに巻き込まれ、愛を注がれる。
今度は銀時が愛を喰らう番らしい。
押し倒されて逃げ場のない口付けに、銀時はされるがままとなっていた。




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