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雨で祭が無くなったのがそもそもの話。
紅葉を楽しむ祭が開催されると聞いたのだが、最近は通り雨が多く、天候の心配はされていた。
そしたら案の定、という結果になってしまったのだ。

銀時のために用意した浴衣が無駄になってしまったと、高杉だけでなく本人も残念がる。
かと思いきや。
雨を室内から眺めながら、銀時は高杉に酒を飲ませたり、風呂で背中を流したりと、何故か機嫌は良かったのだ。

そして理由はわからないままの風呂上がり。
布団の上で座って待っていた銀時に誘われ、そのまま求め合って今に至る。




(何が良かったんだか…)

満足そうに眠る銀時を見て一服している最中。
理由がわからない高杉はモヤモヤとしながらも、機嫌が悪いよりかは断然マシだと片付けた。




「にしても、」

凄ェ雨だな。
咥えた煙管を取り、窓に向けて煙を吐く。
夕方から降り続く雨に、これは祭りどころじゃ無かったなと苦笑いする。

この雨には、いつもは聞こえる銀時の喘ぎ声や息遣いがかき消されてしまった。
だがその分、思い切り鳴かせてやろうと奥深くから隅々まで俺を残したので、互いに凄かったと壮絶な快感の余韻に浸れるのである。
自分の声で恥ずかしがる姿も良いが、素直に悦ぶ姿もまた格別であった。




「お、」

銀時の姿を振り返っていると、目の前が光で包まれた。
次いで轟く雷の音。
今夜はまさに暴雨である。




「ン………。」

「さすがに起きたか。」

「…なに……?」

「雷。
外は見事に降ってるぜ。」

「………ん。」

眠そうに周囲を見渡す銀時。
体を起こそうとするが、すぐに突っ伏してしまった。
どうやらまだ眠いようだ。




「……しん…すけ。」

「んだよ。」

「…………。」

こっち、と口元が動く。
だがその声も雨で聞こえない。
それでも不思議なことに、この空間は穏やかなものである。

高杉は煙管を置き、銀時に誘われるがまま、温度のある布団へ入っていった。
そして積極的に抱きついてくる。
理由はおそらく、雷が恐いから。




(恐いというか驚くがな)

突然、雷が鳴ったら誰だって驚く。
それもゴロゴロと低い音ではなく、甲高いメキメキといった雷鳴なら尚更。
それが嫌だというのであれば仕方ない。
少しだけ耳を塞いでやろう。




「…………?」

「…………。」

耳を手で覆われた銀時は、不思議そうに高杉を見上げる。
そんな顔をされたら煽られているようではないか。
眩しく光っては轟く雷。
そんな中でじっと見つめ合い、口付けをするまで時間はかからなかった。




「ン…んっ……ふぅ…ぁ…。」

舌先を軽く吸ってみたり、舌根まで貪るように口づける。
奥深く、念入りに。
そうすると耳を塞がれた側は、自分の声と吐息、そして舌を絡ませる音が頭で余計に響いて快感になるのだとか。

しばらく続けていると、だんだん気持ち良くなってきたのか、体を震わせて身じろぐ。
浴衣の帯を解いて、熱くなった体を押し当ててきた。




「…我慢、すんなよ。」

「はぁ…はぁ…。」

「俺の前では理性を切ってみせろ、銀時。」

「ぁ……っ」

「この後、どうされてェんだ。」

「………っと…。」

「聞こえねェ。」

「っ……もっと、気持ちよく…。」

して。
恥ずかしがりながら、雨で遮られながら告げられた言葉。
少し時間は空いてしまったが、理性は追いやったらしい。
今の銀時はどこまでも高杉を欲していた。




(墜ちたもんだなァ…)

俺もお前も、
時間も余裕もないくらい、お互いに求めすぎている。
ここまできたら、墜ちるところまで墜ちてみようと開き直ることしかできなくなっていた。




「色狂いになんなよ。」

「…晋助限定だから。」

「俺だって無限じゃねェ。
ヘバったところで他の雄にホイホイ付いていくな。」

「その時は…逃がさないようにしてよ。」

「ずっと入れっぱなしにするかもなァ。」

「いいよ。」

ずっと気持ちいいから。
そう言うと、高杉の首筋に吸いついていく。
早く欲しいと煽っているのか。
身じろぎながら愛撫を行い、耳元で名前を呼ぶ。
俺はこれに興奮する。




「しんすけ…。」

「たまんねェな、テメェは。」

浴衣を剥ぎ、陰部に指を添えると既に濡れていた。
先ほど舐め回しては何回も潮を吹かせたというのに、まだ欲望の汁は止まらないのか。
という俺も、既に入れる状態ではあるのだが。




「んん…っ」

「そのまま…もう少し脚を、そうだ。」

「ぁ……あ…。」

「腰を動かしな。」

「んっ……あんっ」

「よし、あとは俺に任せておきな。」

「…また…大きぃ。」

「大きい方が好きだろ…こことか、」

「あぁんっ」

「ちゃんと、届く。」

剥き出しの亀頭が奥を刺激する。
そのたびに愛液が溢れて妙な生暖かさになる。
これが性交での興奮を煽っていた。





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