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※銀時♀、夫婦設定、裏注意







風にのってふわりと香る煙。
着物の隙間からちらりと覗く胸板。
それらに胸を高鳴らせる。

でもこっちがドギマギし続けるのも負けた感じがして嫌だから。
今回はちょっと頭をひねって誘惑してみることにした。
名付けて『彼シャツ誘惑大作戦』



















先に布団に入ってるから、と一言入れておけばわかったと返事がくる。
そして風呂場に行く背中を見送り、銀時は棚の奥底に隠したシャツに着替えた。




(よし、ギリ見えな…いな)

肩幅は大きい。
袖や裾は長い。
襟はぴっちり堅い。
男物を選んで正解だった。

裸体にシャツ。
変な感じはするが、これに世の男は弱いらしい。
確かにエロさはあると思うが、一般人ではない高杉はどう見るか。




「ま、あいつも現代人だし。」

洋装なんて見慣れてるだろう、だから引かれることはない。
ちゃんと誘惑できる、はず。
まぁ高杉が着てないシャツを彼シャツと呼んでいいのかは別として。
そう思いながら、銀時は布団の中に入る。
風呂で温まった体と、布団のひんやりとした感触が気持ちいい。




(早くこないかな…)

これから抱かれる。
甘い夜が始まる。
そう思うと、緊張と高揚感でソワソワと落ち着かなかった。

今日はどう抱くのだろう。
しかもシャツ1枚でという誘い受け付き。
酒が入ってるから、いつもより多めに口説いてとろとろになったところで口付けられるのか。
それとも荒々しくシャツを剥がされて何度も突かれるのか。
どちらでも構わない。




(高杉になら…)

どうされたって、いい。
ずっと優しく扱ってきてくれたから。




(あ…きた)

ぺたりぺたりと廊下を歩く音。
襖が開いて閉まる音。
畳を踏む音。
障子が開く音。

すべての音に敏感に反応してしまう。
寝たふりはしないが、静かに布団の中で待っていると、名前を呼ばれた。




「もう寝るのかよ。」

「高杉は寝たい?」

「あぁ、テメェの可愛い鳴き声を聞いてからな。」

「激しくするんだ。」

「いや、むしろゆっくりかもしれねェ。」

当たり前のように布団の中に入ってきた高杉。
それに抱き付けば、しっかりと抱き締められた。
ぴったりとくっつくこの空間と感触が好きすぎて辛い。




「着替えたのか。」

「あ、バレた?」

高杉の指が襟元に添えられる。
そして銀時の体を押し倒し、見下ろした。

白いシャツから見える白い肌。
シャツが大きい分、銀時がより細く白く見える。




「なんだよ…そんなに見て。」

「いや、和装も好きだがこれも悪くねェと思っただけだ。」

「本当?」

「あァ、無駄に色気を振りまいてやがる。」

「無駄って…もう少し言葉を選べコノヤロー。」

「俺以外には見せんなよ。」

「わかってるよ…ばぁか。」

銀時は両手を伸ばす。
それに誘われるがまま、高杉が抱き締めてきたので嬉しくなる。
素直ではないが、それなりに高杉を誘えた。
そして今、高杉に抱き締められている。
その充実感だけで想いがどんどん高ぶってきた。




「晋助…。」

耐えきれなくなった銀時は、着物の隙間から高杉の肌に触れ、優しく撫でては煽る。
そして高杉の肌に吸い付けば唇の触れる音が大きく響いた。




「いつにも増して大胆じゃねェか。」

「サービスだから…ちゃんと返せよ。」

その言葉にフッと笑った高杉は、銀時の頬に手を添えた。
ああ、始まる。
そう思った銀時は目を閉じ、触れる唇を待った。

ゆっくりと顔が近付くのがわかる。
そして間近で高杉の吐息を感じた数秒後、柔らかい感触に甘い痺れが走る。




(きもちい…)

最初は吸うようにお互いの唇を食む。
ゆっくりと時間をかけて、唇の感触を確かめるように吸い付いた。

やわらかい。
あまい。
もっと。
言葉にしなくても高杉が気持ちよくしてくれるから良い。
甘いのは好きだから、高杉との口付けは好き。
この時間が好き。
口を開けば舌が絡み合って離れない。
これから始まる甘い時間に、心も体も満たされていく。




「ん…ン…ぅ……ふ、あ…。」

「…そんな煽るなよ。」

「ン…しんすけぇ…。」

「あぁ。」

誘われた分、これからじっくりとろけさせてやる。
その声に、腰回りが熱くなった。




(ほしい…)

言葉も。
体も。
心も。
夫婦になって全てを手に入れても、欲しくてたまらない。
一時的な性交の繋がりだけじゃなく、もっと深く焼き付けるような何かが。
そうすれば、俺は常に満たされるから。




「ちょうだい…。」

そう告げれば、今度は強引に唇を奪われた。
そして熱が籠もるような激しい口付けの最中、シャツのボタンを全て外されて裸体を曝す。

既に反応している乳首や陰部。
外気に触れただけでジンジンと熱くなり、高杉と見つめ合うだけで愛撫をされてる感覚だった。
もじもじと腰を揺らせば、それに合わせるように手が這っていく。
そしてお互いの唇から銀色に光る糸が切れないまま、高杉は銀時の胸に吸い付いた。




「…ぁん……ぁ…あ……。」

ぬるぬるとした感触。
たまに吸われると、ぴりっと刺激が加わる。
舌で転がされて、舌で潰されて、歯で甘く噛まれる。
触れられて満たされるかと思いきや、不思議なことに、高杉がどんどん欲しくなるのだ。
足は開脚したまま、腰が揺れて止まらない。





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