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※♀化注意










「また何を考えてんだか。」

「へ?」

刀の鞘で頭を突っつかれる。
少しだけ物思いに更けていた銀時は視線を横にずらして高杉を見た。
刀をハリセン代わりに使うのはやめろよ、と告げると高杉は鞘を下に置く。




「本当ならテメェの頭をぶっ叩くはずだったが…何しろ距離が離れてたんでな。」

「お前が動けば済む話だったろ。
別に叩かれたくないけど。」

「むしろテメェが来いよ。」

高杉は障子を閉めて手を広げる。
だけど煙管を離してないから嫌だと反抗すると、やれやれとした表情で煙管を盆の上に置いた。
それを確認した銀時は、素直に高杉に近付いて腕の中に閉じこめられる。

別に煙管に嫉妬したわけじゃないから。
抱きついて頭上から灰が降ってくるのが嫌なだけだから。
煙くなるのが嫌なだけだから。
そう自分を説得させながら、銀時は静かに高杉の胸元にすり寄る。




(朝の桜も良いもんだな…)

高杉の後ろから見えてた桜を思い出しつつ、体を這う手を受け入れる。

昨日は蕾だったような、五分咲きだったような。
そんな桜の花が見事に大きく花開いていたのだ。
ここまでくれば満開も近い。
その後ろから朝日が射し込んで、風に揺れて、それはもう綺麗だった。
何故かそれが嬉しかった。




「高杉。」

「ん?」

「ん。」

かぷり、と効果音をつけても良い。
それぐらい優しく、だけど噛みつくように唇を重ねた。
お互いの興奮を煽るような吸い付き方で。




(気分がいい)

春は繁殖期だから何なのか。
ここ数日、ずっと高杉に抱かれ続けても嫌にならない。
昨日なんか中に入れたまま3回も出しやがった、のに嫌じゃないのだ。
体のだるさがないこと、気候が暖かくなってきたこと、高杉との時間が長いこと。
全てをひっくるめて順調に事が運んでいるような感じがする。

唇を離しては見つめ合って、見つめ合ってはまた口付ける。
途中で角度を変えたり舌を絡ませたり、笑ったりして溶けるような口付けが続く。
高杉もその気になったのか、情事を思わせるような情熱的な口付けを仕掛けてきた。
次第に体が震え、足先が畳の上で泳ぎ始める。




「ん…ン……ぁ…ふ。」

「ずいぶんと熱烈な誘いなこった。」

「ばか…俺は花見をしたいの。」

「俺はもうしてるけどなァ。」

「ん……?」

高杉の指先が、首筋に触れる。
そのまま鎖骨を通り、胸元までやってくる。
散らされた赤い花びら。
それを見て花見だというのか。




「恥ずかしい奴…。」

「だが嬉しいんだろ、それが。」

そう言って首筋に吸い付く。
また新しい花びらでも散らす気なのか、そう思った銀時は高杉の頭を抱き締めた。

確かに高杉に付けられる花びらは好き。
会えない時もその花びらを見て愛しさが増すから。




「でも…お前が付けるのって、首とかその周辺だけだし…。」

思わず口から出てしまった言葉。
銀時はハッとして唇を噛む。
だが時既に遅し。
高杉はニィと毎度お馴染みの笑みを作っていた。




「そうか…首だけじゃ物足りねェってか。」

「ち、違うから!
見えるとこにはすんなって話!」

「なら見えなければどんなところでも良いって訳だな。」

「どんなところって、」

「あぁ…例えば。」

浴衣の分かれ目から手を忍ばせる。
同時に帯も解かれ、肩から浴衣が落ちてしまった。
そして乱された姿のまま押し倒され、既に赤く熟れている乳首に高杉は吸い付いた。




「ぁん…っ」

「ここの蕾は何回愛でても満開にはならねェからなァ…。」

「ゃ…っ変なこと、言うなよ…。」

刺激と言葉攻めに悦ぶ体。
そんな自分自身が憎らしい。
それを知ってか、高杉も愛撫を止めない。
赤ん坊よりも巧みに舌を使って吸い付いてくるもんだから、全身が興奮して熱く湿る。

また獣に喰われる。
そう思っていると、不意に片足を大きく持ち上げられた。
そして高杉は太股の裏に吸い付く。




(そんなとこまで…)

確かに乳首よりかは花びらを散らしやすいかもしれないけど。
そこまで独占欲を俺に押し付けたいのかこの獣は。
不平等すぎんだろ。
独占欲なら俺だって、




「あぁんッ!」

「そういやここにも蕾があったな。」

「やだッやだぁっ
そんな触んなぁっ」

「こんなに液垂らして膨らんでんのを見せつけられりゃ、誰だって触りたくなんだろ。」

「んあぁあッ」

高杉の指が陰核に触れた途端、凄まじい快感に襲われる。
それもそうだ。
そこの蕾は、女が一番弱いところなのだから。
なのに高杉の指は遠慮なく刺激を与え、そして太股への吸い付きも止めない。




(頭…おかしくなるっ)

いつもより念入りなのか。
凄まじい快感に襲われても指の愛撫を止めてくれない。
夜とは違って明るい現場に、全てをさらけ出していると思うと羞恥で涙が溢れた。

と、その涙を高杉が舐めとる。




「ぁ……はぁ…はぁ。」

「俺しか見てねェから…全部見せろよ。」

「っ…ぅ。」

「テメェに、俺の全てを見せてやるから。」

何でわかるのだ。
口付けの理由も、涙の理由も。
やはりこいつには適わない。
…認めたくはないけど。

そう思って高杉の首に腕をまわす。
そして、俺ができるとびっきり甘えた声で、とっておきの言葉を囁いた。




「しんすけ…。」

「あァ…全身に散らしてやるよ。」






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