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そりゃ後悔だらけだろ。
今になって高杉を求めたこと。
何度も好きだと言って絶頂したこと。
あの時、高杉を追いかけなかったこと。
人の亭主と寝て気分がいいはずはない。
心のどこかで何かしら引っかかる。
なのにコイツは無駄に察しが良くて、俺が俯いた瞬間に唇を重ねてくる。
(女を気遣うなんざ…)
やっぱり結婚してから変わったのか。
それを思うと何だか苛々してくる。
「また…何考えてやがる。」
「別に。」
「今は俺に集中しろと、何回言ったらわかんだテメェは。」
「ん………。」
高杉はそう言ってまた口を塞ぐ。
寝かされた布団の上、そこでは唇の角度を変える度にシーツと髪のこすれる音がした。
それだけで興奮するのに、高杉の手が風呂上がりのしっとりとした肌や髪に触れてくる。
その優しさに心が震え、体が敏感に反応してしまう。
これが極上ともいえる甘美だった。
(高杉の……舌)
ゾクゾクと背中を迸る背徳感。
銀時は高杉の首に腕をまわして、更なる快楽を求めた。
そう。
俺が黙って顔を俯かせれば必ずキスしてくれる。
それが嬉しいからたまに考え込むフリをしてみる。
なんて子供なんだろうと思いながらも、そんな子供に付き合ってくれる高杉の愛しさがこみ上げてきた。
「んン……んっふ、」
「っ……は、」
「ぁ…っ」
「ダメだ、止まんねぇ…。」
「ン……ぁ………また、」
孔に熱いものが当てられ、ずぶずぶと中に入っていく。
何回やっても慣れない。
それほど高杉の性器は気持ちいい。
「こんなに抱きてぇと思ったのは…お前が初めてかもな。」
ゆるゆると腰を動かしながら、高杉は銀時を愛おしそうに見る。
その視線に答えるように、銀時もまた高杉を見つめた。
そしてお互いの視線が熱を帯びた頃、そのまま顔を近付けて口づけを交わす。
まるで式での誓いのような。
銀時は長い口付けにはふはふと息苦しそうだが、高杉は唇を離すことなく、ゆっくりと銀時に合わせて繰り返す。
唇を離したくない、そう思える口付けも初めてだった。
「んっ…ふぅ………ン…っだめぇ…。」
こんなにしたら、
離れられなくなる。
「ぁ…っあぁっ」
「離さねぇよ、絶対に。」
「あんッぁっあぁっ」
「もう二度と…っ」
そう告げた高杉は銀時の体を抱きしめ、絶頂を急かすように奥ばかりを刺激した。
それに合わせるように、銀時も高杉の腰に脚を絡ませて必死に腰を振る。
「ッぁ、あぁああっ
あっあっあ、も……だめッ
あぁんッあっあぁあーッッ!!」
「っ……く、ぁ。」
愛液を放ったと同時に銀時の孔が強く萎む。
その締め付けに耐えかねた高杉は、銀時の中で射精した。
体の中でブルブルと震える性器と、熱い液体。
何回も絶頂しては激しい愛撫の繰り返し。
さすがにお互いの体力も限界に近く、高杉はそのまま銀時の体を抱き締めるように倒れ込んできた。
(っ……ばか…また奥に…)
高杉の体が密着することで再び奥を刺激してしまう。
だけど今は全てが愛おしい。
のしかかる体重も、性器の熱も、大量に出された精液も。
「ン……たか、すぎ。」
「…何だ。」
「も、抜いて……。」
また…感じちゃう。
「はっ……お互い歳を取ったなァ銀時。」
「ぁッ…ちょ、」
「突くのはやめて擦ってやるよ。」
高杉は腰を前後に揺らして、ぐりぐりと奥を刺激する。
集中的に亀頭で奥を摩擦される快感に、また愛液がとろりと溢れ始めた。
高杉に求められている。
ただそれだけなのに、何故か泣きたくなる。
ずっと心の奥底にしまっておいた感情が、ふつふつとこみ上げてくる。
(これが…恋ってやつかよ)
なら俺は、だいぶ前からコイツのこと…。
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