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物足りなさが無いと言えば嘘になる。
高杉は何故か最後まで、つまり性器を入れようとしないのだ。
処女を奪われてから、攘夷戦争半ばまで、ずっと最後までしていたのに。
再会してからというもの、わざと挑発したり誘いをかけても全く入れてこない。

だからといって「何で?」なんて聞ける素直さは持ち合わせていない。
高杉はお互いが気持ちよく終えるようにいかせてくれる。
不服はない。
不満があるだけ。













ーーーー………‥‥‥



「……………で、」

何でこうなった…?!

シャワーの音がする部屋の中で、銀時はベッドの真ん中で正座をしていた。
何が何だかよくわからない。
いやわかっているがわかりたくないのだ。

銀時と高杉が逢うのは歌舞伎町から少し離れた旅館。
なので高杉と過ごすときは、昼間は万事屋に顔を出し適当に済ませて戻る…という感じになっている。
今日も今日とて万事屋の様子を見て、さぁ戻ろうとしたその帰り。
何故か男に引っ掛かってしまった。




(いやいやいやいや!)

何で?!
どーしてこうなるんだ!!
確かに俺は欲求不満だったさ!
だって高杉が入れてくれないから!
でも軽々しく声をかけてきた野郎に足を開く気は全くねぇ!
まぁ「俺を誘いたきゃ甘味を寄越せ」っつってパフェ奢られたのは致し方ないけど!
高杉に抱かれた後のノーブラノーパン浴衣で街を出歩いたら誘ってるように見えるのも致し方ないけど!!!
どーするよ!
ここは木刀で相手を再起不能にして逃げるか…!
って、アレ。




「やべ…。」

なんか、下が疼いて仕方ないんですけど。

銀時がそうこうしている間に、男はシャワーから出てきてしまった。
そして何食わぬ顔で銀時の隣に座り、浴衣を脱がしていく。
これはどうするべきか、なんて悩んでいたら男の口説きなんて全く頭に入ってこなかった。




「んっ」

男の手が銀時の乳首をつねる。
そして浴衣と木刀を床に放り投げるとそのまま銀時を組み敷いた。
男はローションをこれでもかというぐらい銀時の身体にかけ、全身に塗る。




「あ…あぁ……ん。」

さて、どうしたものか。
このまま流されてみるか、それとも木刀を一発入れてやるか。
最後までやるのは御免だが、相手がヤリ手であればしばらく付き合ってみるのも悪くはない。

銀時は喘ぎ声をあげながら様子見ということで、わざと腰をくねらせ陰核に触れるよう促す。
すると何の迷いもなく男が陰核を舐めた。
それには銀時も腰を引いてしまったが、相手の舌の使い方があまりに慣れているのでとてつもない快感が襲った。




「ああぁッ
や、そこはぁ…ん!!
あぁあああッ!!」

陰核を舐められ、孔に舌を差し込まれ、散々愛液をまき散らしても男の舌は止まらない。




「やあッも、あぁああ!!
またいっちゃぁッあああッッ!!」

こいつ、とんでもない野郎だ。
そう思ったのも束の間。
男が銀時の陰核から口を離し、代わりに熱いモノをあてがう。

これはまさか、




「あ…あぁ、ちょ、待……。」

待って、と言おうとしたがヤメタ。
孔に当たる熱にひどく心地よさを感じたのもあるが、何より相手が相当のヤリ手だからだ。
確信はないが気持ちよくしてくれる…と思う。




(あつい…)

高杉のもこんなに熱かったっけ。
ああダメだ、思い出そうにも思い出せない。
入れてくれたのは昔の話。
もう高杉が俺に入れることは無いと思ってる。
だから今、ここで知らない男と繋がって壊れるまでいけばいい。
そうすれば俺の心もスッキリする気がする。
高杉のことは好きだ。
でも人間、欲には勝てない。
今は誰でもいいから奥まで突いてほしいと願っている俺がいる。
早く気持ちよくなりたい。
早く解放されたい。
ああほら、もう先っぽが入ってくる。
別に処女でもあるまいし、男のモンなんて皆似たような……。

















………………………………あれ、












「ッッてぇえええ!!
なんじゃその粗末なモンはァァアアア!!!!!!」

銀時は男の性器を見た瞬間、
快楽が吹っ飛び、男に一蹴りを食らわせて木刀で叩きのめした。




「てんめぇコノヤロー!!
何だその小せぇモンは!
俺の愛用品の半分にも満たねーじゃねぇか!!
そんなんで俺が納得すると思ってんのかゴラァ!!」

気絶した男に向かって銀時は怒りをぶつける。
男のモンなんて皆同じと思っていたが、案外そうでもなかった。

つーか俺、高杉以外のモン見たこと無かったわ。




「この俺を満足させたきゃ経験を積んでその粗末な馬鹿息子を海賊王にでもさせてから出直しな!!!
って、またの機会もあるかボケェエエエエエ!!!!!」





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