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結局、欲には勝てなかった。
銀時をおかずに、しかも外で自慰をしてしまった己に落胆する。
だがそのおかげで頭も体もスッキリしたため、結果的に良かったと脳内で片付けた。
「いよいよ俺も、戦争で頭がイカれたか。」
自嘲しながら浴衣を羽織る。
そして振り回されっぱなしは腑に落ちないので、また銀時の邪魔をしてやろうと部屋へ向かった。
「………………。」
だが部屋から声はしない。
というか人がいる気配も感じない。
予想外の展開に驚き、高杉は静かに襖を開けてみた。
部屋の中は外の明かりでぼんやりとしながらも見えるが、銀時の姿は確認できない。
本当にいないのか、
そう思い始めた時、もぞりと何かが動く。
「ん………、」
「……………。」
物陰で丸まっているそれ。
光に反射する銀色が確認できたので、銀時本人だとわかった。
「事後…ってわけでもなさそうだな。」
部屋の真ん中で転がっているお猪口と徳利。
銀時が宴会の場から抜け出して数時間、どうやら部屋の中でずっと酒を呑んでいたらしい。
しかもお猪口が一つということは一人酒。
可哀相な奴だなと思いつつ、高杉は銀時に近付いた。
「……………。」
刀を握りしめて寝る姿は幼い頃のまま。
ただ目のあたりが少し膨らんでおり、指で触れてみるとプックリとしていた。
どうやら腫れているらしい。
「泣いていたのか。」
「ン…………?」
「銀時。」
「か…すぎ……?」
目元をそっと撫でる手に気付いたのか、銀時はうっすらと目を開ける。
「…ど……して。」
「さぁな。」
高杉は銀時の手から刀を取ると、何があったのかを聞くために寝ていた上半身を抱きかかえる。
その際、ふわりと香る酒のにおい。
酒に弱いくせに、と思いながら高杉は銀時の顔を見た。
くたりとしている体は抵抗せず、それどころか高杉の胸板に頭を擦り寄せてきた。
その瞬間、高杉に魔が差す。
気付けばフニフニと銀時の唇を指で押し、感触を楽しんでいた。
「……たか…すぎ、」
くすぐったい。
高杉の指に身を捩らせながら、銀時は上目遣いに見つめてくる。
それはいつもの怠けた目ではなく、高杉の指を感じ始めているような悦楽の顔だった。
すると高杉は指を口内に滑り込ませ、舌や歯をなぞって遊んでみる。
これには銀時も眉を寄せたが、しばらくするとその指を舐め始めた。
「ん…んン……。」
わざとなのか本気なのか、ちゅぱちゅぱと水音をたてて指をしゃぶる。
コイツはいつもこうやって男としているのか、高杉はそう思いながら銀時の口から指を抜いた。
唾液で濡れた指がとても卑猥に見える。
ふと、二人の視線が重なる。
お互いに相手の目を覗き込めば、欲情して熱が籠もり始めたと訴えていた。
少しなら遊んでもいいだろう、
そう考えた高杉はそのまま銀時と唇を重ね、最初から舌を絡ませる口付けをする。
「…ん……。」
「っ……は、銀時。」
「ふ……ンん、高杉……。」
呼び合っては唇を重ねる。
高杉は銀時の後頭部を手で支えながら、そして銀時は高杉の肩に手をおいて口付けに没頭した。
口付けに慣れている高杉に対し、なんとか絡ませようと必死に舌を出す銀時。
その反応がおかしくてにやける。
(初々しいな)
どうやら俺が思うほど、
情事には慣れてはいないようだ。
「ふ……は、」
「…そんなに良かったかよ。」
高杉は唇を離し、銀時を見る。
とろんとした表情、揺れ始めた腰、そして主張し始めている性器。
高杉はそれらを舐めるように見つめ、ぷっくりと膨らんだ乳首に触れた。
「あぁ…たか、す……。」
銀時の息がはぁはぁと上がっていく。
乳首を指で捏ねたり、たまにキュッとつねれば、白い肌がピクピクと震えた。
そして目線を横にずらせば、銀時の性器がこれでもかというぐらい着物を押し上げている。
どうやらコッチも準備万端らしい。
快楽にポーッとしている銀時を観察しながら、高杉は着物越しから性器に触れてみた。
「っあ、やぁ…あっ」
「花魁顔負けだな。」
「ああっ」
着物と性器が擦れる感触。
これには開いた口が塞がらない。
銀時は高杉と目を合わせながら、下半身の気持ちよさにひたすら喘いだ。
その表情がなんとも淫らで、高杉は煽られる。
「んん…あぁん、」
「銀時。
お前今どんな面してるかわかるか?」
「あぁ……わからな、」
「俺に扱かれて感じている、やらしい面だ。」
「…はぁ…ん、あ。」
「淫乱。」
「ん…っ」
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