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そして銀時の情事を目撃してから数日たったある日。
敵の幹部を討ち取ったということで、その日は総出で宴を開いていた。
辰馬や桂、高杉なども参加し銀時もいつものように馬鹿騒ぎを起こしていた。

しかしそれは最初の一時間だけ。
辰馬は暴走、高杉は抜刀、桂は2人の足止め、そして銀時は逃亡。
司令塔である4人がハメを外してしまえばもう手遅れ。
宴の収拾がつかなくなった頃、同席した志士達は1人2人と酒で倒れていった。




「アッハッハッ!
お前ら酒に慣れとらんのぉ。
もー潰れちょるわい!」

「貴様はもう少し酒を控えろ!
そして高杉、お前も刀を鞘に納めなさい!」

「うるせぇ。
また頭から酒を浴びねぇよう自己防衛の刀だ。」

「いや目を血走らせた奴が自己防衛なんて言うな!」

「おりょ、金時はどうしちゅう?」

「銀時なら腹を下したとか言って部屋に戻ったぞ。
それも貴様らが出来上がる前にだ。」

「何じゃぁタイミングの悪い奴じゃのぅ。」

「………………。」

辰馬はまたゲラゲラと笑い出す。
一方の高杉はグッと酒を呑み、立ち上がった。




「俺はもう休む。」

そう言うと、
まだ物足りない辰馬と、一人にするなと嘆く桂にしつこく絡まれた。
だがこれも予想の範囲内。
高杉は2人を乱暴に剥ぎ取り、広間から出た。

少し千鳥足になりながらも、ゆっくりと廊下を歩く。
これは酔い醒ましをしなければ、
そう考えていると、視界の隅に銀時が休む部屋の襖が見えた。
途端、頭が一気に冴える。




「………………。」

腹を下したというのは嘘で、
また人を慰めているのだろう。

銀時の淫猥な姿を見たあの日から、高杉は銀時をただの娼婦と偏見していた。
友が人に流され足を開くことに落胆したのか、それとも。




(相変わらず、)

腹立たしい奴だ。

高杉は銀時の部屋から視線を外し、近くの河原へと向かう。
まさか酒を頭から浴びせられる日が来るとは思っていなかったので、高杉は一刻も早く水を浴びたかった。

決して抜きたいわけではない。
さっぱりしたいだけだ。






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