今日のち未来
遠くない未来で


「「あ、迅さんだ!」」

とある日とある時刻
ランク戦が行われているブースにて
元気のいい声が響き渡る。
あぁ、今日もこいつら元気だなぁとその場にいた隊員は全員思ったに違いない。

「ねぇねぇ、迅さん!久しぶり勝負しようよ!」
「緑川なんて放っておいて私に稽古つけて下さい!」
「なんだよ、俺が先に迅さん見つけたのに」
「何よ、私は今度稽古つけてくれるって約束したんだから!」
「「ねぇ、迅さん!!」」
「今日は本部長に用があるから、二人ともごめんな〜」

迅の言葉に緑川ときらりは不貞腐れた。
同じタイミングで同じ反応。
なかなかできないなと感心する。
どうでもいいが年齢もこの二人、同じである。

「お、息ぴったりじゃん!お前ら仲いいよな」
「「こんな奴、仲良くないよ!!」」
「いや、ぴったりだって」

そんなことより迅さん!!
と二人は詰め寄る。
それを流す迅も、慣れたものだ。

「おい迅気は済んだか?」
「風間さん。今行きますよ。
じゃあな二人とも、仲良くしろよ」

手を振ってくれる迅に二人は喜びと寂しさを露わにする。

「迅さん行っちゃった」
「次はいつ来てくれるかな」
「しょうがないから緑川、練習付き合ってよ」
「えーB級相手にしてもつまんないじゃん」
「なによそれ!決めた!!私アンタに勝つから!!ちょっと入りなさいよ!」
「そういう台詞は一度勝ってから言いなよ」

口喧嘩しながら二人は部屋に入っていく。
これもいつもの光景だから誰も何も言わなかった。
勝負が始まる。
結果は勿論ーーご想像にお任せしよう。





「迅、用事があるって言ってたが緑川たちか?」
「まぁ、そんなとこですね」
「俺には何をしたかったのかさっぱりだが…」
「可愛い後輩の未来に貢献しようと思ってね」
「?」
「あの二人、仲良くなるんですよ。そう遠くない未来にね。
俺のサイドエフェクトがそう言ってる」
「あぁ、いつも騒々しいからな。
仲良くなるのは今後のためにもいいかもな」

迅と風間の噛み合ってない会話がされているとは露知らず。
今日も緑川ときらりは元気に闘っていた。
10本勝負の既に2本。緑川がとっている。
…結果はーー


ご想像にお任せする。


20150321


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