恋よりもスキルアップ



あの頃は、恋よりもスキルアップを目指していた……優作叔父様の推理力と有希子さんの演技、特殊メイク……


挙げても、二つ上の先輩である松田先輩に爆弾処理のノウハウを教えて頂き、栗山教官に銃の腕を認められ、800ヤードまで伸ばした


そんな時に、アパートに帰る道端で彼と出会う……
手負の狼に


『大丈夫ですか?お兄さん』
「くっ……」
『ハァ、手当てしますから、歩けますか?』


コクリと頷いて、フラフラと壁伝いで後をつけてくる気配を感じながら、それなりのアパートに着くと、倒れかけたお兄さんを支えながら、ソファに案内して、救急箱を取り出して、傷の手当てをしていく


随分、弱ってるなぁ……
ざっと見た感じ銃創と鋭利な刃物の傷に本来なら、警察を呼ばなきゃならない。


しかし、何かと理由がありそうな彼を警察につき出せなくて、丁寧に治療していく。


「……警察に突き出さないのか?」
『突き出して欲しいんですか?』
「いや……」


会話は、あまり無かった……
翌朝、黒髪の狼さんは、居なかった。
一言だけ


thank you


と言うメモを残して……



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