とれました

若「高っか…!!(すぎだろバカ。跳びすぎっつーか…何人だオマエコラァ〜〜〜!!」



火神は着地の際に少しふらつき、雪乃にぶつかる。



伊「ナイス火神!と雪乃?」



火神は伊月にパスを出す。



火「んだあのショボいジャンプ。とれねーなら跳ぶな!」

『とれました』

火「うそつけ!!」



言葉でも表情でも意地を張る雪乃。



火「そもそもらしくねーぞ。もしかしてオマエのいた帝光とオーバーラップしてんじゃねーだろな?」



火神の言葉に雪乃は目を見開いた。



火「今の相手は桐皇学園だぜぞ、勝てんのか!」



雪乃は少しの間、茫然としていたが口元が弧を描いた。




『でも、とれました』

火「うそつけ!!」



それでも意地を張る雪乃。



若「クソがー、やってくれんじゃねーか!」

桜「うわぁ…」

今「(あれが青峰の…けどま…聞いてた通りや)」



今吉は不敵な笑みを浮かべていた。









観戦に来た黄瀬は、ようやく会場についた。



黄「ありゃ、まーた遅刻っスわ。しかもまた負けてるし…ん?」



その時、見知った緑色の髪を見つける。



黄「緑間っち!?」

緑「…む?」



その人物は緑間であり、緑間はなぜかサングラスをかけていた。



緑「黄瀬っ!?なぜ気づいたのだよ!?」

黄「アホスか、グラサンて!そして恥ずかしいからソッコー外してほしいっス!」

緑「なにィ!?」



緑間は黄瀬の姿と自分の素性がバレたことに驚いていた。



黄「あれスか?見たくないとか周りに言ったけど、結局来ちゃったんスか?」

緑「テキトーなこと言うな!近くを通っただけなのだよ!」

黄「家、真逆じゃないスか」



結局二人で試合を観戦することになった。



黄「で、どースか試合は?」

緑「………どうもこうもない。話にならないのだよ。青峰がいないようだが…それでもついてくのがやっとだ」

黄「青峰っちいないんスか!?まあ今あの二人が決めたじゃないスか。これからっスよ」

緑「忘れたのか黄瀬。桐皇には桃井もいるのだよ」

黄「!」



桃井がいることに気が付いた黄瀬は押し黙った。



緑「アイツはただのマネージャーではないだろう。中学時代、何度も助けられたのだよ…つまり逆に

敵になるとこの上なくやっかいだ」



桃井は桐皇のベンチにて静かに、しかし不敵な笑みを浮かべて試合を見ていた。





『とれました』完