伊達じゃないですよ
観「何?結局全面使うの?」
観「ゴールぶっ壊した奴がいんだってよ!」
観「はぁ?…うぉ!マジだよ」
火神により片面のゴールを壊されたため、一旦試合は中止になり、コートの整備が行われていた。
全面コートのゴールも降ろされる。
準備している間、火神は黄瀬をにらんでいた。
黄「確かにありゃギャフンっスわ。カントクのあんな顔初めて見たし」
火「人ナメた態度ばっかとってっからだつっとけ!」
『火神君…ゴールって…いくらするんですかね?」
火「え!?あれって弁償!?」
雪乃の遠い目をしながら言う言葉に火神は焦り始めた。
そんな中、武内は悔しげな表情をしている。
武「黄瀬!ちょっと来い!」
武内は我慢ならなくなり、黄瀬を呼んだ。
審「それでは試合再開します」
今まで片面で練習をしていた選手たちは二階へ行き、観戦している。
その選手達がざわついた。
火「やっと出やがったな…」
日「スイッチ入るとモデルとは思えねー迫力だなオイ」
『…伊達じゃないですよ、中身も』
リ「(改めて視ると…バケモノだわ…黄瀬涼太…!)」
とうとう黄瀬が試合に出た。
先ほどまでのおちゃらけた雰囲気はなくなっている。
その迫力に誠凛メンバーは驚く。
女「キャアア黄瀬クーン!!」
日「うぉわ!?なんじゃい!?」
笠「あーあれ?アイツが出るといつもっすよ……てゆーかテメーもいつまでも手とか振ってんじゃねーよ!!」
黄「いてっ、スイマッセーンっっ」
黄瀬が試合に出た瞬間、黄色い声が体育館に響く。
黄瀬も手を振り応えていたが、笠松が飛び蹴りを食らわせた。
笠「シバくぞ!!」
黄「もうシバいてます…」
海常高校バスケ部主将
笠松 幸男
PG 178cm
笠「てゆーか今の状況分かってんのか、黄瀬ー!?」
黄「いてっいって」
笠「あんだけ盛大なアイサツもらったんだぞウチはー」
笠松は怒鳴りながら黄瀬の方を殴る。
笠「キッチリお返ししなきゃ失礼だろが!」
笠松の言葉に黄瀬は真剣な表情になった。
試合は始まり、誠凛ディフェンスで海常がオフェンス。
黄瀬にはもちろん火神がついた。
火「あ!!」
止めていたかに思われたが、森山が火神にスクリーンをかけている間に黄瀬はゴール下に走りこんだ。
ボールを持っていた笠松は伊月の股の間をバウンズさせ、黄瀬にパスを出す。
もともとスクリーンをかけた森山のディフェンスをしていた日向が黄瀬を止めようとするが、実力差は明らかだった。
黄瀬がダンクをしようとジャンプをしたが、日向はあまりに速すぎて跳べない。
黄「こっちもアイサツさせてもらうっスよ」
火「……!!(コイツまさか―――!?)」
黄瀬は先ほど火神がダンクをした時と同じ動作でダンクを決める。
観「おおおおお!!」
笠「バカヤロー、ぶっ壊せっつっただろが!!」
黄「いってスイマッセン!」
海「(ええええー!!?)」
笠松は黄瀬をシバいているが、笠松の言葉に海常の選手ですら驚愕した。
黄瀬がダンクしたゴールはリングが取れてはいないが、ギシギシと音を鳴らしながらまだ揺れていた。
火「(いや…威力はオレより…)」
黄「女の子にはあんまっスけど…バスケでお返し忘れたことはないんスわ」
黄瀬の挑発に火神は乗ってしまった。
火「上等だ!!雪乃よこせ!!!」
火神は裏に走り込み、黄瀬を振り払うと雪乃がすかさずパスを出す。
黄「んおっっ」
笠「ー!?(さっきからどっから出てくんだコイツはー!?)」
笠松はまた雪乃を見失ったことに驚いていた。
火神はダンクを決める。
笠「こっちも全開でいくぞ!!」
『伊達じゃないですよ』