信じてました

外は雷が鳴り、雨はさらに激しさを増していた。





0:03
誠凛 秀徳
82 81





緑間は3Pシュートの体制に入る。





そんな―――…



ここまで来て



負…け…





火「(…てたまるか!!勝つんだ!!)」





跳べるのはあと2回よ





火「(折れてもいい…動けよオレの足!!前の試合もこの試合も最後に足手まといでいいわけねーだろ!!)」

高「(まさか…跳べるはずもねぇ!!アイツはもう限界のはずだ…!!)」

火「ああああ」



火神は最後の力を振り絞り、緑間のブロックに跳んだ。
しかし、緑間は上げていた腕を下げる。
ジャンプはしておらず、シュート体制はフェイントだった。



火「…!!?」





0:02





緑「だろうな、信じていたのだよ。たとえ限界でもオマエはそれを超えて跳ぶと」

火「しまっ…」

日「(どんな心臓してやがる。残り数秒のこの場面でフェイク!?これが『キセキの世代』…)」

笠「(緑間真太郎…!!百戦錬磨は雪乃だけじゃねぇ…!!)」

中「よし!!(もらった…!!)!!」

大・木・高「決めろ、緑間ァ!!」



再びシュート体制に入る、



『私も信じてました。火神君なら跳べると。そして、それを信じた緑間君が一度ボールを下げると』



しかし、緑間が腕を上げる前に雪乃がボールをカットした。





0;01





緑「(ユ…雪乃ォ〜〜〜〜〜!!!!)」





0:00





そしてとうとう試合終了のブザーが鳴った。

誠凛側は喜びに溢れた。



審「試合…終了―――――!!!」





0:00
誠凛 秀徳
82 81





観客は驚愕し、秀徳側は悔しさを露わにしている。
緑間は静かに目を閉じていた。


緑間の様子に火神、雪乃、黄瀬は静かに見ていた。



高「行こうぜ…整列。たまにはおは朝も外すって!」

緑「うるさい、だまれ」





審「82対81で誠凛高校の勝ち!!」

誠・秀「ありがとうございました!!!」



日向と大坪は握手を交わす。



外の大雨は少し落ち着いた様子だった。

秀徳は控え室に戻る中、それぞれ涙を流している者もいる。



緑「少し外に出てきます」



緑間はそれだけ言うと外へと向かった。



秀「…はんっ、負けたってのに冷めたもんだぜ」

高「…まさか、…何も感じてないはずねぇすよ」



中谷もその様子を見ていた。



中「くよくよしてるヒマはないぞ。今日の敗戦をバネにして強くなれ。負けて悔しくない者などいない」




外へと出た緑間は、傘もささず雨に打たれていた。



黄「(次は決勝リーグっスか。ってことは青峰っちとやるのも遠くないっスね)」



その時、緑間のポケットの携帯が鳴る。
緑間は携帯の通話ボタンを押した。



≪あーミドリんひっさしぶり――――!!どーだった試合―――!?勝った―――!?負けた―――!?あのね―――こっちは≫



緑間は電話の声に通話を切った。



黄「(あの二人には、ちょっと因縁めいた対決になりそうっスね)」



再び緑間の電話が鳴る。
緑間は呆れながらも再び通話に出た。



緑「なんなのだ、いいかげんに…」

≪んだよ暗ーなぁ―――。されはアレっしょ!?負けちゃった!?≫

緑「…青峰か。…そうだ、せいぜい決勝リーグでは気を付けるのだよ」

≪はーいー!?何言ってんだよ!?キモイって!≫



黄「(火神を雪乃っちの今の相棒(光)と呼ぶなら、青峰はキセキの世代のかつての相棒(光))」





青「オレを倒せる奴なんざ、オレしかいねーよ」





青峰 大輝
PF 192cm 85kg






『信じてました』完