また…やりましょう

緑「相変わらずだな、青峰。分かっているのか?つまり決勝リーグで雪乃と戦うということなのだよ」



緑間の問いに電話の向こうの青峰からは、少し沈黙があった。



青≪………なんかカン違いしてるぜ、緑間。昔がどうでも関係ねぇだろ。今は、敵だ。だがアイツは俺のもんだ。それは変わらねぇよ≫



緑間は青峰の言葉に一瞬眉を顰める。



青≪じゃな、切るぜ≫

緑「あぁ」

桃≪ミドリーン!!落ち込んでる時にごめんねー!!元気だし≫

青≪うるせーよ!!≫



通話は切れた。



緑「(青峰…まだお前は雪乃のことを…そしてきっとまだ雪乃も…)」





桃「ねぇ青峰君」

青「あ?なんだよ」

桃「ユキちゃんと本当に戦うの?」

青「…アイツがその道を選んだんだろ。試合で証明してやるよ、アイツの光は俺だけだってな」

桃「青峰君…」









リ「さ!帰ろっか!」

日「いや、ちょっ…ゴメン。マジ待って。2試合やってんだぞ、しかも王者…んなテキパキ帰れるか…!!」

リ「あ、ゴメン(ゾンビみたくなっとる!)」



リコはさっさと帰り支度を終え、みんなに声をかける。
しかし、試合に出ていた日向達は、疲れた体を鞭を打たなければならなく、体を震わせながらゆっくりと歩いてきた。
その姿はまるでゾンビみたいだった。



日「オレらは少し休めば大丈夫そうだけど、火神がな」



火神に至っては、立ち上がれない様子だった。



リ「でもいつまでもここにいるわけにもいかないし…とりあえずどっか一番近いお店に入ろう!火神君はだれかおんぶしてって!」

小金「じゃあジャンケンで決めよう!」



ジャンケンで決めた結果、雪乃が負けてしまった。



日「おーい雪乃、大丈夫か?」

『すいません、もうムリです』

火「ちょ、雪乃テメッ、もっとがんば…あ〜〜〜〜!!!」





結局、誠凛メンバーは近くのお店『鉄板キッチン OKONOMIYAKI』に入ることになった。



日「すいませーん」

火「雪乃テメェ、覚えとけよコラ」

『すいません、重かったので…』



火神は途中で雪乃に落とされたのか、泥でぐちょぐちょだった。



火「ん?」

笠「お」

黄「ん」



店内に入ると、お客の中に見知った顔が。
食べていたのは試合を観戦していた黄瀬と笠松だった。



火「黄瀬と笠松!?」

黄「ちっス」

笠「呼びすてかオイ!!」



日向も二人に気付き、声をかける。



日「なんでここに…?」

笠「おたくらの試合観にね」

伊「すいません、13人なんですけど」

店「ありゃお客さん多いねー、ちょっと席足りるかなー」

小金「つめれば大丈夫じゃね?」

日「あっちょっとまっ…座るの早っ!」

笠「もしあれだったら相席でもいっすよ」



結局、笠松と黄瀬の4人席には、雪乃と火神が座ることになる。
他は畳の方に座っていた。
雪乃と笠松は平気そうであったが、火神と黄瀬は若干気まずそうな雰囲気が流れている。



黄「なんなんスか、このメンツは…そして火神っち、なんでドロドロだったんスか」

火「あふれたんだよ、ドロはほっとけ、っち付けんな」

笠「食わねーとコゲんぞ」

土「コーラこっちー!」

日「オレンジ―」

?「ウーロンハイ……」

日「誰だ酒頼んだバカは!!換えてもらえ!」



畳側の方は乾杯の為、ジュースを配っている様子だった。



日「よしじゃあ…カンパー……」

高「すまっせーん、おっちゃん二人、空いて…ん?」



その時、店の入り口が開き、入ってきたのはなんと緑間と高尾だった。

誠凛メンバーも黄瀬と笠松も、高尾と緑間も全員が固まる。



日「なんでオマエらここに!?つか他は!?」

高「いやー真ちゃんが泣き崩れてる間に、先輩達とはぐれちゃって…」

緑「オイ。店を変えるぞ高尾」

高「あっ、オイ」



緑間が外へと出ると、強風で傘は飛ばされ、雨も先ほどよりも強くなっていた。





『また…やりましょう』