第1話

かの有名なビッグマムの次男、シャーロット・カタクリさんに嫁いで早10年。



ホールケーキ城の窓から外を眺めながら、ユキノはふと思っていた。



『あっという間でしたね、10年は…』



するとユキノのいる部屋のドアがノックされた。
この部屋に共に住んでいる夫はただ今任務中のため、不在。



『はい』

?「義姉さん、失礼するよ」



部屋に入ってきたのは黒い服を着て角が生えている女性、シャーロット家18女のガレットだった。
部屋に入ってくるなり、ガレットは辺りを見渡す。



ガ「あれ?義姉さん?確かに声はしたけど…」

『ここですよ』

ガ「うわっ!?」



ユキノを見失っていたガレットは突然目の前に現れたユキノに驚き、飛び跳ねた。
ユキノは自他ともに認めるほど影が薄いのだ。



ガ「毎回ビックリさせないでよ義姉さん」

『驚かせてるつもりはないんですけど…ところで何の用ですか?』

ガ「あ、そうそう。ママが呼んでるよ」

『ママが?分かりました』



そう言うとユキノはママのもとへと行くべく、部屋を出た。









ビッグマムの部屋―――



『ママ、ユキノです。入ってもいいですか』

マ「あぁユキノか。入りな」



大きな扉の前にユキノは来ると、中にいる人物に声をかける。
了承を得て部屋に入る大きな体の女性、ビッグマムことシャーロット・リンリンが座していた。



マ「久しぶりだね、ユキノ」

『はい、お久しぶりです。ママ』



ママに呼ばれない限り、ここの部屋に来ないユキノはママに会うのは久しぶりだった。
とはいうものの、ママの子供たちも任務やママに呼ばれない限りはママに会うことは滅多にない。
するとママにユキノは手招きされた。



マ「こっちへこい」



ママの言う通りにユキノはママの近くへと寄った。





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