日曜日の午後


朝試合して

優勝して

昼ごはんに行く





「プレミアムサンデー?」

「……いや実際は一日休みなわけだから」

「学生の時は午後からフリーなんて考えたことなかったからな。」

「そうなの?」

「まるまる一日とか、下手をすれば土日二日間で大会終わらせる訳だろう。」

「ああそーか……」





スケジュールがタイトすぎて……週末ヘトヘトになって、寝たらもう月曜日、みたいなヤツか。

それはそれで運営側の苦労もしのばれるんだけど。今となっては。

お箸が茶碗と口元をひっきりなしに行き来する。

美味しいのは好き。でも安くておいしいならもっと好き。

何処かの偉ーい人が思ってるほど世の中潤っている層だけではない。

現にこうして今お昼を提供してくれているのも誰のおかげ?





「15時に終わる……学校なんてあると思う?」

「あったら就職したいな。そば半分食べるか?世田谷。

「いいよ、動いておなか減ってんだからちゃんと食べて」

「日本中全員が月末金曜3時で仕事終わってたら、もう家に帰るしか選択肢がない。」





お漬物をぽりぽり食べて。

お茶をぐいっと飲み干して。

そしたらすかさずバイトの子が注ぎに来てくれた。

こんなサービスが全くないならば、家に帰って寝るしかない。





「ありがとうございましたー」





電車もバスも飛行機も。

ファミレスもデパートもコンビニも。

ガススタもテレビ局もパチンコも、それこそ電気に水道、ガス、スマホの電波さえ。

誰かのおかげで動いている。




「それが全く止まったら本気で特別な金曜日、だな。」





満足そうに空を見上げると、手塚はあたしの手を握った。

半分自由になった日曜日、君はあたしとどう過ごす?





「どこか買い物にでも行って、世田谷の家でケーキ買って帰ろう。」

「……いつものカンジじゃーん」

「なんてったって俺のプレミアムサンデーだからな。俺のやりたいように過ごすに限る!」





特別に経済を回したりは出来ないけれど。

いつも誰かのおかげで世の中は回っている。

特別に奮発したりはなかなかでいないけれど。

自分が君の特別な何かになれているのなら、それはそれであたしも嬉しい。





「プレモルくらい買ってかえろっか」

「プレミアムの規模が小さいな……。」

「うん、ほら庶民だから。どこぞの跡部くんとは違うから」

「あれは例に出すには極端だ。」

「デスヨネー」





ささやかなしあわせを。

別に月末、金曜日に限らず、ね?




日曜日の午後
何度も夢の中で繰り返すラブ・ソング
170226


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