きみのことすきなんだ


「啓、啓」





不意に周ちゃんがあたしを突っついた。





「なに?」

「ニヤけてる」

「え」

「顔がニヤけてる。手塚見て」





正直ね。

正直言うとね。

手塚を見てニヤけない女子なんていないと思われるのよ。

テニスやってる手塚見て、かっこいいって思わない女子なんてそう居ないと思うのよ。

現にあたしは思ってる!





「いーじゃん」

「開き直った」

「……だってかっこいいもん」

「しかも惚気だした」

「好きなんだもん、手塚のこと」





胸を張ってさ、そう。

胸を張って言えるよ。

手塚テニスしてるのかっこいいもん。

あたし大好きだもん。

だから胸を張ってさ、そう。





「また世田谷が不二とイチャついている。」

「手塚もそんなこと言うようになったの?へー」

「だって周ちゃんがおちょくってくんだもん」

「それに負けているようじゃ世田谷も……まだまだだな。」

「だって啓が手塚見ながらニヤニヤしてんだもん」

「本当?」

「……ほんとうです」





顔には出さなかったけど、嬉しいってオーラが一瞬ぶわっと舞い上がったの、見えた気がしたよ。

こういう手塚も知ってるともっとニヤけちゃうんだよねぇ……。





「へー、ふーん、そうかー。」

「……手塚もニヤければ?」

「写真に撮られるから絶対にしない。」

「そうね、周ちゃんと乾くんの前では結構気遣うよね……」

「失礼だなー、二人して」

「最終的に売られてそうだもんね」

「俺の知らない所で俺の肖像権がめちゃくちゃにされてそうで怖い。」





テニスしてる手塚はかっこいいよ。

テニスしてない手塚はかわいいよ。

この人見てニヤけない女子なんてそうそう居ないよ。

だからあたしは今日も胸を張って。





「なんで、売る時は絶対あたし通してからにしてね周ちゃん」

「そういうこと?」

「おい世田谷。おい世田谷?」

「だってあたし手塚のこと好きだから、先にあたし見たーい」





君のこと好きだって言うよ。

全世界に向けて言えるよ。

君のこと好きなんだ。




きみのことすきなんだ
何度も夢の中で繰り返すラブ・ソング
170515


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