意固地の塔、プライド崩し



(ちょっと、からかい過ぎちゃったかな?)

放課後、屋上から校庭を見下ろすのも日課のようになってきた。
運動部の生徒たちがあちこちで動き回っているのを、ぼんやりと目で追いながら物思いにふける。

最後に会ったのも、もう二週間くらい前になる。
あの日は結構怒っていたように見えたなあ。
ちょっと意地っ張りなのかな。
あれ以来彼女には会っていない。
偶然か、はたまた避けられているのか…。
まあ、この学校で約束もなく会える確率は相当低いと思うけどね。

彼女に興味を持ったのは、本当に何気ない一場面だった。
少しやり取りをしただけ、それでももっとからかってあげたいと思った。
…面白い子。

あまり男の子と話したことがないのか、僕のような人間が苦手なのか。
初めはすごくきごちなくて、そう思ったらちょっと感情的になって。
放課後の彼女は夕日も相まって、顔を真っ赤にしてちょっと震えて。
可愛いなあと思ったよ。

素直じゃないってさり気なく言ったけど、本当にその通りだと思う。

(…でも、実際に話したのって二日くらいだからねえ)

相手の人間性を見るには時間が短すぎる。
もちろんそれは彼女にも言えることだ。
まだお互いを知らなさすぎる。

もっと話をしてみたいなあ。
僕の知らない一面をたくさん引き出してみたい、そんな我欲を浮かべて思わず笑みが零れる。
こんなに女の子に執着するなんてね。
女の子との交流は数多あれど、なかなかここまで興味深い子はいない。
気にはなるけど、自ら会いに行くのはまた違うという気持ちもある。
彼女は僕のクラスすら知らないかもしれない。
でも僕は彼女が保健委員であることを知っている。
同じ委員会の知り合いに聞けば、何年何組かまでわかるだろう。
最後の手段は取っておくとして。
有効かはわからないけど、一つ駆け引きをしてみようか。

さて、とりあえず作戦を立てないとな。
あの子は一筋縄ではいかないだろう。
素直じゃない意地っ張りさん、男子との会話に不慣れ…。
一朝一夕では難しいな。
さすがの僕でも、ちょっと時間が必要かな。



意固地の塔、プライド崩し



次に会う日が楽しみだなあ。
恵美ちゃんが僕を嫌いでいなければいいんだけど。



EHL.