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Twitterで呟いた140字SSのlogです

ヒエン

 彼の手は大きくて、骨張っていて、とても固い。「そう凝視したとて面白いことはなかろう」苦笑いの彼に構わずそっと指を滑らせる。傷だらけのこの手で何度刀を振るってきたのだろう。あまり綺麗なものでもない、と重ねる彼にそんなことない、と首を振った。「好きだよ、ヒエンの手」顔を近づけて口付ける。そのまま頬へ導けば、いたわるように撫でる指が心地よくてそっと瞳を閉じた。
2022/01/23

ヒエン

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2022/01/23

ヒエン

ピリピリと肌を刺す不穏な空気が腕の中でゆっくりと溶けてゆくのを感じた。「……いつもありがとう」「なに、この程度いつでも構わん。そなたはもっと他人に甘えることを覚えろ」「……ヒエンには十分甘えてるつもりだけど」上目遣いに言う彼女に口づけを送る。なあ、そなたがそうして落ち込む様子を見せるたび、どうすればわしを頼ってくれるか、頭を悩ますその瞬間さえ幸福なのだと、そう伝えたらばそなたは如何様に笑うだろうな。
2022/01/08

ヒエン

わたしが作り笑いを浮かべると、傷の入ったその右眉が小さく動くことに気が付いたのはいつだったろう。大丈夫、と笑えば、何も言わずにただ眉を下げ、そうか、とただそれだけ言った。「そなたが無事に生きていれば、それでいい」作り笑いで誤魔化した心の奥を暴かずに、ただ無事を祈る彼に何度でも救われていた。別れのハグは暖かくて、そうしていれば本当に大丈夫なのだと思える。腕の中でもう一度浮かべた笑顔は、きっと。
2022/01/08

リーブ

熱で溶けてしまうもの。ロウソクに、チョコレートに、「もう一つ心当たりがあります」面白がるようなリーブの声に顔をあげるとすぐに彼が腕を引いた「んっ、」よろけて飛び込んですぐ唇の向こうから舌が入り込む。「…ぁ、」激しい口づけに呆然とする私に、悪戯げに笑う彼が答えを囁いた。…ばか。
2021/05/21

ヴィンセント

二ブルエリアの朝日は美しい。あの洞窟の中からならばどれほど輝いて見えるだろうかと想像してぐ、と奥歯を噛み締めた。古びたベッドは身動ぎ一つで軋んだ音をあげる。眠る前にあったはずの温もりはいつの間にか消え、今日もこの屋敷で独りだった。彼の帰る場所は此処ではない。知っていたはずだった。
2021/05/21

リーブ/FF7

(画像)
2020/11/19

レノ/FF7

成人済みの方のみどうぞ
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2020/11/17

レノ/FF7

成人済みの方のみどうぞ(これの続き)
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2020/11/17

レノ/FF7

成人済みの方だけどうぞ
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2020/11/17

ルーファウス/FF7

成人済みの方だけどうぞ
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2020/11/17

リーブ/FF7

「ボクは、」彼はそう切り出して、けれど何も言えずに俯いた。帰ろうとする私を引き留めた両手はまだ私の右手を握っている。終電まであと10分なのに、「なあに?」「…もう少し、貴女といたいです」顔を上げた彼の真剣な表情と瞳の熱に目を奪われた。今日は帰れないかもしれない、でもそれもいいかな。
2020/11/17

リーブ/FF7

「そろそろ帰らないと、」本当は引き留めてほしい、寂しげに光る瞳は同じことを考えているに違いないのに「ええ、そうですね…もう、遅いですから」真面目で優しくて、臆病な人。鞄を取る私の手に伸ばしかけた貴方の腕は触れる前に離れてゆく。一人タクシーの中で小さくため息を零した。また、ね。
2020/11/17

リーブ/FF7

「そろそろ帰らないと、」立ち上がる彼女を引き留めたいのに、口から出るのは「ええ、もう…遅いですから」と当たり障りのない言葉。鞄を掴む手が躊躇っているように見えて腕を伸ばしかけるが、結局それも引き戻す。一歩進む、それだけのことが今日もできずに、ため息を吐いて消えるタクシーを見送った
2020/11/17

リーブ/FF7

「起きてください、もう昼過ぎですよ」「…ぅ」穏やかな声。声のする方へ腕を伸ばすと大きな手に包まれた。「お寝坊さんですね」「…まだ、ねむい」薄く瞳を開くと近づく影。隣に座る彼の腰にぎゅう、と抱きつくと頭を撫でるやさしい手。「おはようの、ちゅー」「はは、仰せのままに」あたたかい。
2020/11/17
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