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胸騒ぎがする。


もちろん今日、弔と黒霧が学校のから少し離れた施設にいたことはなまえも知っている。その目的も。

目的を達成出来る出来ないは置いておいたとしてもきっと2人ならうまくやるんだろうなと思っていた。



『敵連合と名乗る男達がヒーロー科1年が演習を行っていた学校付近の施設を襲い、
それをオールマイトを初めとする教師陣が制圧した。』


『中には重症を負った教師もいるらしい。』


『襲撃した敵連合たちはほぼ捕獲、逮捕したが主犯格の男2名は、すんでのところで取り逃がした。』


しかし、先程からどうやら耳に入って来る話を聞いているとそんな気がしない。




この件で学校は明日まで休校になり、
なまえは急いで弔の元に戻った。


「弔っ!!っ…!!」

「……」

退散間際に両手足をヒーローによって撃たれていた弔は、命に別状はないものの
応急処置の包帯の上からはまだ血が滲んでいた。



「見せて。はやく!」


なまえは一つ一つの傷に手をかざし個性で治していく。
撃たれた跡はもう跡形もなかった。





「もう痛くない?」

「ん。」

「良かったぁ。」


弔が助かり、緊張の糸が切れたのかなまえの目からは大粒の涙が零れ落ちる。

「すごい…心配したんだからぁ…!!!!」

「…ごめん。」

「弔が死んじゃったらって思ったら私、どうしたらいいかわからなくてっ…」


ヒーローも他の人間も何かもそんなのどうでも良くて、
私はあなたが一緒にいてくれるだけでいいのに。



あなたのいない世界のことを考えたら、どうしようもなく怖かった。



「置いていかないで、」



私を、ひとりにしないで

ひとりで逝ったり、しないで




いつもと違った様子で泣きじゃくるなまえに弔は驚きながらも、なまえを落ち着かせるためにあやす様に抱きしめ、頭を撫でる。


しばらくして、ようやくなまえの呼吸が落ち着きはじめた。


「あのさ、俺がなまえを置いて死ぬとかありえないだろ。」

「ぅん…うんっ…ずっと一緒にいたいよ…」

「ずっと一緒だろ?」

「ほんと?」

「うん。でもさ、俺となまえがこれからもずっと幸せに暮らしていくにはこのままの世の中じゃだめなんだよ。
偽善だらけのヒーロー社会をぶっ潰して新しい世界にする。
これは俺となまえのためなんだ。
だからなまえも着いてきてくれるよな?」





約束するよ、絶対になまえを1人になんてしないから。
これからも一緒に何処までも堕ちていこう。