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※引き続き最後注意


最近、自分の周りにはそれぞれの思惑で仲間になりたいと人が集まることが多くなった。
これからの計画にとって必要なのでそれ自体は今はもう構わない。

しかしふと、先のことを考えた時、
なまえを自分と離れたところで危ない目に合わせたりする気は毛頭ないが
いつまでもここに集まる人間に会わせないまま隠しておくことは難しい。現にもう何人かとは会ってしまってる。

だとしたら先に自分のものという認識させておいた方がいい。まかり間違ってほかの男、いや女も含めなまえに変な気を持ったり傷つけたりされては困る。
そう思いこれから自分の元に長くいそうな人間には敢えてこちらから
なまえの存在を周知しておいた。


仲間の反応は、驚きと羨望が主だったけれどトゥワイスは

「まじかよ!おまえみたいな奴にJKの彼女がいるなんて嘘だろ!」

とかなんとか失礼極まりないことを言っていたのである日わざわざ何人か集まっている時間、
学校帰りのなまえを敢えて呼んだ。


突然のことに、不思議そうに自分を見上げる彼女の名前を呼んでその唇に軽くキスする。

「?どうしたの?」


それを受け入れながら
何かあった?と頭の上にたくさんはてなを浮かべた彼女に



「今日も戻るの遅いから顔見たくなった。先寝てて」

と伝えた。

「…そっか」

わかったといいながらどう見てもしゅんとするなまえ。





少し戸惑った後に名前を呼ばれた。

「弔…っ」

「何?」

「あの、」

なまえはほかの人間が近くにいることに気づいていない。

いても黒霧くらいだと思っているらしい。


「家帰る前にキス、もう1回したい…なぁ…って…」

そしたらちゃんと戻るから。と言うなまえ、
オイオイあまりに可愛すぎないか?
できることならこのまま一緒に家に帰りたい。



「いいよ、じゃあなまえからして」
欲望を抑えて少し屈むとなまえは背伸びして自分から唇を重ねた。



それからすぐそこにいる黒霧を呼んでなまえを部屋に戻した。





「わざわざそのためにアイツ呼んだのかよ…性格悪ぃ…イチャつくなら家でやれ」

「くそ!全然羨ましいくねえぞ!
…死ぬほど羨ましい」

「いいねえ、オジサン妬けちゃう」




あんなに可愛くて性格も良さそうな彼女がいて。





なまえに対する印象は誰から聞いてもだいたいこんなものだ。
なまえが高校でどんな評価を受けてるか興味もないし知らないが
高校生の餓鬼から見ても無能な教師から見てもさほど変わらないんだろう。



けれど実際のところ、なまえは傍からそうやって見えているだけで
そこまで出来た人間では無い。
まあ頭の回転が良いのも顔が良いのも否定しないけれど。


めちゃくちゃわがままだしすぐに拗ねるし気に入らないと泣くしな。全く大人びてはいない。



そしてなまえの隠しておきたい暗い過去も
醜い執着心や嫉妬心や独占欲などのドロドロした感情も全て理解して、受け入れているから



なまえにとって俺は特別なんだ。



なまえからの愛情は俺だけに向けられていればいい。
ほかの人間が知る必要はない。

俺からの愛情を受け止めるのもなまえだけなんだから。






しかし本人的には周りの勝手な評価と本来の自分のギャップに葛藤することがあるらしく
ある日、一日中、家に帰ってからもどこか心ここに在らずな事があった。





折角夜、久しぶりに長い間一緒にいて、
こうやって身体を重ねているのに。



ちゃんと俺のことだけ考えないと駄目だろ

そんな意味を込めて、どこか上の空ななまえの
ナカに埋め込んだ自身のモノで彼女の1番イイところを突く。

やっとこっちをちゃんと見た。
また意識が考え事に戻らないようにそのままなまえを絶頂に追いこむ。


「ッ…ぁ、や…ッん…んんっ!!」


次第になまえ目から戸惑いは消え
口からは快楽による嬌声のみがもたらされた。


それでいい。ちゃんと俺のことだけ見て。


そう思いながら、
なまえに負けないくらい重く深い愛情をなまえの中に注いだ。






情事後、話を聞いたがそれはもう想像の範囲内の内容で。
なまえの心中を乱したクソみたいな男には今すぐ殺したい程ムカついたが

どちらかと言うとほかの人間と同じく俺がなまえのことを上辺だけしか理解してなくて
嫌われたり見放されたりしたら
どうしようというニュアンスが強かった。



そんな訳あるはずないだろ。

ちゃんと言葉にして改めて伝えると
なまえはいつの間にか安心して寝てしまった。




何があっても。そこが暗い地の底でも、地獄だとしても。俺達はずっと一緒だ。

すやすや寝ている彼女の髪を撫でながら
これから先の揺るぎない未来に思いを馳せた。