私にしかできないこと


2時間経っても警告が解除されない。明らかにこれはおかしい。そう私は思っていた。
このままだと、両親に迷惑をかけてしまう。早く帰りたいのに。なんて考えるまもなく魔獣の咆哮は近づいてくる。
(電話も繋がらない…どうしよう…)
その時、一人の職員が私に声をかけた
「君、モンストやってる?」
「…アプリなら、あります。危ないやつですよね?」
「寧ろあった方がいい!今この場を救えるのは君だけなんだ!」
周りの人は、みんなアプリを入れていないから。その言葉で避難していた人間が一斉に私の方を向いた。目立つのが嫌いだったから断ろうとしたけど、人の命がかかっているから断るに断れなかった。
「…わかりました、私がやります」
ガチャを引いて、何でもいいからモンスターを召喚してくれと職員に迫られ、モンスター召喚室に連れられた。
もうどうとでもなれ、どうせ私はここで死ぬんだ。その勢いで私はモンスターを呼び出した。辺りが光に包まれた。
「…お呼びでしょうか?我が主よ」
目の前に美しい羽を持った天使がいた。顔立ちは西洋の女性の様で、スレンダーな体付きをしている。
そう、彼女こそが後の大親友、ウリエルだった。

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