7 勉強会
十代の留年を防ぐため、今日から追試試験までの間、私が勉強を教える事になった。
こう見えても一応ブルー寮に所属しているので、エリートまではいかずとも、筆記試験も実技試験もそこそこの成績を取っているつもりだ。
夕食後、十代のレッド寮まで足を運ぶ。過去に一度だけ部屋の中を見せてもらったことはあったけれど、用事があって赴くのはこれが初めてだった。
コンコン、と部屋のドアをノックすると、内側からドアが開いて十代が顔をのぞかせた。
「おっユリ、来てくれたのか」
「うん。…って、あれ?ヨハン君」
部屋に入るとそこにはヨハン君がいた。
「暇だったから遊びに来たんだけど、なんだか大変な事になってるみたいだし、オレも協力しようと思ってさ」
「そうだったんだ!ヨハン君もいてくれれば心強いね」
「ああ。2人で十代の留年をなんとしても阻止しよう」
「うん!」
こうして2人ががりでの、「十代の留年絶対阻止作戦」が始まったのでした。
そして数時間がたった頃、十代が「もう頭がパンクしそうだ」と嘆き始めた。
「なあ、今日はもうこれくらいにしようぜ。1日で詰め込みすぎてもきっと良くないって」
その言葉に私とヨハン君は顔を見合わせる。たしかにもう夜の10時を回っているし、あまり一気に教えすぎても頭に入らないかもしれない。ヨハン君も同じ考えなのか、そうだな、と頷いた。
「じゃあ続きはまた明日にしよう」
「ああ!ありがとな、2人とも」
私とヨハン君が靴を履くために入り口へ向かうと、十代が見送りに来てくれた。
「明日もまた同じくらいの時間でいい?」
「ああ!頼むぜ」
「うん。じゃあ十代が分かりやすいようにノートまとめてくるね」
「おっ、サンキューユリ!助かるぜ」
「わっ…」
にかっと笑った十代は、そのまま私の頭に手をやり、くしゃりと撫でてくれたのだ。
「(うわあぁあ、頭撫でられ…っ、初めて…)」
耳まで真っ赤になるのを見られてしまう前にと、私はヨハン君とともにレッド寮を後にした。
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