【18 あたたかい味 ーなまえー】

ミンギュさんが“おかえり”なんて言うから、思わず泣いてしまった。
ここ数年、おかえりと私を暖かく迎えてくれる人なんて居なかった。

音を立てずにこっそり帰って、なるべく静かに家事を済ませ、終わったら自室に戻る。
そんな私にとって、おかえりがどれだけ嬉しいかなんて分からないんだろうな…。

オッパが荷物を置きにリビングから出て行ったから、私はミンギュさんとキッチンに行く。

MG「肩どうでした?」
「ヒビ入ってるみたいで、1ヶ月は絶対安静!って言われました。」
MG「ヒビ入ってるのにあんなに踊ってたんですか!?もー!無理しちゃダメですよ!しかも手首も怪我してたんですか!?」
「みたいです。」

全く!もー!って怒るミンギュさんはお母さんみたいなんて思ったけど、こんなに心配してくれる人がいるのは本当に嬉しくて、怒ってるミンギュさんとは対照的に顔がニヤけてしまう。

MG「なまえさん!もー聞いてますか!?笑い事じゃないんですよ!」
WN「何で怒られてるのにニヤけてるの?もしかしてなまえって変態?」

いつから居たのか、私の顔を覗き込み笑ってるウォヌさん。

「変態ではないですけど、心配して怒ってもらえるのは嬉しいことです。」
WN「ふふ、そうだな。」
MG「もー!あ、おぬよんおかえり、ご飯できるから部屋に居る人も呼んでおいて!なまえさんはこれ味見してみてください!」

ウォヌさんは私の頭をポンポンと撫でると、気怠そうにキッチンを出て行った。
なまけものみたいと思ったのは内緒にしよう。

ミンギュさんが必死にフーフーしてくれてるのを見上げる。本当お母さんみたい。

MH「冷ましすぎじゃない?」
MG「なまえさんって猫舌っぽいから。」
「お!当たりです!」

さすがです!とグッと親指を立てれば嬉しそうに微笑むミンギュさんに私も自然と微笑み返す。

MG「もう冷めたと思うけど、どうですか?」
「いただきます。」

自然にアーンするみたいに食べさせてもらう。

最近味覚がないから味見しても…え?
もぐもぐして、はっとミンギュさんを見上げた。

MG「美味しくなかったですか!?」
「逆です!今まで食べた中で1番美味しいです!!!」
MG「本当ですか!?やったー!」

大きな体で喜んでくれるミンギュさんに私も嬉しくなる。
オッパの周りは本当にいい人ばっかりだな…、羨ましい…。

WZ「いい子にしてたかー?」

オッパの声がして振り向くと、Tシャツに短パンのラフな姿でキッチンに入ってきた。

「してたよ!それよりおっぱ!ミンギュさんのご飯凄い美味しいの!」
WZ「そうだろ?ミンギュは何でも出来るんだよ。ミンギュの飯も美味いけど、ジュンとミョンホの飯も美味いぞ!」
「そうなの!?」

確かにリビングに並んでた料理はどれも美味しそうだったけど。

「ジュンさんとミョンホさん?」
JN「ふふ、逆かな?僕がジュンで」
MH「僕がミョンホです。」
「よ、よろしくお願いします。」

ペコリと頭を下げると隣から「何をよろしくするんだよ」ってオッパのツッコミが入った。

「美味しいご飯をよろしくお願いします?」
WZ「はは、なるほどな。」
MH「全部出来たし行きましょうか!」
「はい!」

おっぱの後に続いてキッチンを出ると、さっきまで居なかった方も揃っていた。
1、2、3、4、5……多いな。

私はオッパとミンギュさんの間に座らせてもらった。

SC「よし、全員揃ったな?いただきます!」
「「「いただきます!」」」
「っ!!!」
WN「ふふっ、なまえがビックリしてるㅋㅋㅋ」

ちょうど向かいに居たうぉぬさんに私が驚いた顔を見られてしまって、まためちゃめちゃ笑われてる。

「いただきますがサラウンドで大音量だったので。」
WZ「なまえどんな顔してた?」
WN「😳!」

ウォヌさんが私の顔真似をして、確かにしてたって笑ってる皆さん。
あー、なんかいいな。
こうやって皆んなで笑いながらご飯食べるのって。

MG「はい、どんどん食べてくださいね。」

そう言って私のお皿におかずを置いてくれるミンギュさん。

「おんま…」
MG「…え?」
WZ「確かにㅋㅋㅋいっぱい食え、3人ともお前のために作ってくれたんだから。」

コクリと頷き、箸を持とうとしたけど流石に利き腕じゃない持たなくて、スプーンで料理を口に運ぶ。
あぁ…美味しい……。
さっき味見した時もそうだった。

味なんてずっと感じてなかった。
何を食べても味は無くて、無味無臭だった。
だからサプリメントで最低限の栄養を取るようになった。

時間の短縮にもなるし…。

こんなにもご飯が美味しいと思ったのは初めてだ…。なんてあたたかい味なんだろう…。

HS「ち、なまえさん!?どうしたんですか!?なんで泣いてるんですか!?」
JN「え!?辛かった!?」
MH「お口に合いませんでしたか?」
MG「苦手なものでしたか!?」

慌ててる皆さんに慌てて首を振る。
違うんですと、言いたいのに、涙が溢れて止まらない。

おっぱに助けを求めるように視線を移すと、優しく微笑みながら涙を拭ってくれる。

WZ「美味しくて泣いてるんだよ。」
SG「泣くほど美味しいって!ヒョンたち良かったね!」

本当に!?なんて慌てて聞いて来るミンギュさんにコクリと頷くと、さっきと同じように嬉しそうに微笑んでくれた。
ジュンさんとミョンホさんにも視線を向け微笑むと、2人も安心したように優しい笑顔を返してくれて、それがまた嬉しくて涙が止まらない。

WZ「相変わらず泣き虫だな。」

そう言ってティッシュを渡してくれるオッパに抱き着けば、また優しくポンポンと背中を撫でてくれた。

WZ「ほら、食わないとなくなるぞ。」
「…やだ。」
WN「ㅋㅋㅋ」

その後はおっぱやミンギュさんに手伝ってもらいながらご飯をいっぱい食べた。
本当に久し振りにお腹が満たされた。

何よりみんなでご飯を食べることが本当に嬉しくて楽しくて幸せだった。




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