【19 自己紹介 ーなまえー】

ずっとこの時間が続けばいいのに。
ただボーっとそんな事を考えているとスマホが震えた。

恐る恐る画面を見るとマネオッパからでちょっと安心する。

「ちょっと電話して来るね。」
WZ「俺も行く。」

立ち上がった私の後を着いてきてくれるオッパと共に廊下に出て、通話ボタンを押した。

「お疲れ様です。はい、さっきカトクした通りです。」

マネオッパの声はいつもより疲れてるように感じる。

『(そうか…。本当にすまなかった。取り敢えず代表にも伝えたから、暫くは活動休止だ。明日にも記事が出るから。それと、しばらくの間なまえは宿舎に帰るな。絶対安静の1ヶ月はホテルを手配するからそこに居て。)』

活動休止…。
まあそうだよね…、踊れない私に価値なんてないんだから…。

『(なまえ?聞いてるか?)』
「…あ、はい……すみません…、分かりました…。」
『(後、近くにウジさんいるか?居るならちょっと変わってくれ。)』

オッパに電話を差し出すと、少し険しい表情のまま電話に出てくれた。

活動休止…。
絶対に活動休止なんてしたくなかった。
不様でもあの場所にしがみついてたのは、少しでも隙があれば私の場所が無くなると思ってるから。

どんなに辛くても、どんなに苦しくても、私の居場所はあそこしかないのだから。

だからどんなに体調が悪くても、ボロボロでも活動休止だけはしなかったのに…。

WZ「なまえ?大丈夫か?」
「…うん。マネオッパなんだって?」
WZ「ホテル見つかるまでちょっと頼みますって。」
「そっか…」

ホテル探しも大変なのかな。
まあそうだよね、誰かに見られたら何でわざわざホテルに居るのってなるし、また不仲説が流れて面倒なことになるだけだもんな…。

WZ「なまえ?お前本当に大丈…」
「パンツ買いに行かないとね!」

オッパの言葉を遮って明るくそう言えば、オッパの眉間の皺が無くなって呆れたように笑った。

オッパにも、セブンティーンの皆さんにもこれ以上迷惑掛けるわけにはいかない。
もう昔とは立場も違うんだから。

MG「電話終わりました?アイス食べます?」
「はい!オッパもアイス食べよ!」
WZ「お前本当よく食うなㅋㅋㅋ」

これでいい、こうやって笑ってくれるだけで私は幸せだ。

リビングに戻るとアイスが並んでた。

SG「なまえさん!どれ食べますか!?」
「え!?私は余ったのでい…」
HS「ダメ!レディーファーストです!」

レディーファーストか、みんな本当に良い人だな。

「へへ、じゃあお言葉に甘えて!」

どれにしようかなぁ。
バニラ、チョコ、ストロベリー、うーんでもやっぱり…

WZ「レディーってより赤ちゃんだけどな。」
「抹茶にする!」
WN「選んだ味は渋いけどねㅋㅋㅋ」

ん?え?あれ?
なんか、私笑われてる?

アイス選びに夢中で何で皆さんが笑ってるのか分からなくてキョロキョロしてると、さらに笑われた。

「オッパ!何で私笑われてるの!?」
WZ「いいんだよ、お前はそれで。」
MG「ウジヒョンはどれ食べる?」

なんか分からないけど笑われた。
でも、悪い気はしない。
それどころか、本当に幸せだなって思った。

WZ「じゃあ俺バニラにする。」
「え!?」
WZ「何だよ。」
「そこはチョコにしてよ!私チョコと抹茶で悩んでたんだから!」
WZ「何で俺からもらおうとしてんだよ。」
「え?」
WZ「え?じゃないわㅋㅋㅋ」

昔もよくこうやって2人で笑い合ってた。
2人とも練習生だった時はお金もなかったから、一つのアイスを2人で分けて食べたりもしたっけ。

MG「俺の食べますか?」
「え!?や、そ、そんな!それは申し訳ないのでオッパのバニラで我慢します。」
WZ「なんでちょっと上から目線なんだよㅋㅋㅋ」
「抹茶もあげるから〜!」

はぁと溜め息を吐きながらも、半分こしてくれたオッパはやっぱりあの日から何も変わってない優しいオッパだった。

MG「そろそろ聞いてもいい?」
WZ「ん?何を?」

ミンギュさんが私とオッパを交互に見る。

MG「ウジヒョンとなまえさんの関係。」

…え?は?え!?

「ちょっ、おっぱ皆さんに何にも言ってないの!?」
WZ「うん。」
「は?え?ウォヌさんにも?」
WZ「ウォヌにはさっき話したけど、みんなには何も。そもそも話す機会も無かったし…」

オッパがそこまで言うとちょっと待てと言わんばかりに立ち上がるホシさん。

HS「いやジフナ!言う機会はいっぱいあったじゃん!俺らがなまえのファンだって言った時に、あ、なまえと俺知り合いだよ?とか言えたじゃん!」
WZ「いや、だって言ったら絶対煩いと思って。」

確かにと呑気に笑ってるうぉぬさんと、何故か落ち込んでるホシさんと他のメンバーさん。

MG「で?どんな関係なの?」
WZ「どんなって、まあ、戦友であり、昔からの知り合いってだけだよ。な?」

うん、まあそうだ。

SG「あれ?でもなまえさんって日本人ですよね?」
「はい!父の仕事の都合で韓国に引っ越して来たんです。私の家の隣がオッパの家で、それでオッパが友達になってくれたんです!」

ざっくりだけど間違ってない説明をすると、なるほどと各々納得してる皆さん。なぜか皆んな仕草が似ててちょっと笑いそうになるのを堪えた。

MG「もう一個!なまえさんは何でウジヒョンのことオッパって呼んでるんですか?」
「え?だっておっぱだから…?ん?あっ!そっか!私年齢詐称してるんです!」

デビューした時の年齢が若過ぎて歳誤魔化してデビューしてたのすっかり忘れてた。
驚いてるみなさんの顔が面白くて呑気に笑ってたらウォヌさんが口を開いた。

WN「なまえ、本当は99年でディノと同じ歳なんだって。だからまだ赤ちゃんなの。」
「え!?立派なレディーです!」
WZ「レディーは自分でレディーって言わないからㅋㅋㅋ」
JH「いやぁ赤ちゃんだよ〜、でも何か納得したわ。」

女性みたいな綺麗な顔をした人がフワフワとした口調でそう言うと皆さんもコクコクと頷いてる。
いやいや、私のどこが赤ちゃんなのか。

SG「え!?ディノと同じ歳ってことは、敬語もさん付けもなくてい…い?」
「はい!あ、あの、とーっても申し訳ないんですけど、もう一度自己紹介して頂けませんか?楽屋の時、顔見ないようにしてたからちゃんと聞いてなくて。」

すみませんと頭を下げれば、頭にぽんっと暖かい手が降ってきた。
顔を上げると、オッパの優しい笑顔があった。

SC「じゃあ、俺からするね。俺はセブンティーンのリーダーのエスクプスです。本名はスンチョルです。クプスおっぱでもスンチョルおっぱでも好きな方で呼んでね。」
JH「ジョンハンです。ハニオッパって呼んでねエギ〜!」
「っ!?エギ!?」

エギ呼びに慌ててる私を見て笑ってる皆さん。
いや、エギじゃないってば!

JS「改めまして、ジョシュアです。本名はジスです。シュアオッパでもジスオッパでもどっちでもいいよ、よろしくね!」
JN「次は僕だね!僕の名前はもう分かるよね?」
「はい!ジュンさん!」
JN「ジュンオッパでしょ〜!」

自己紹介をしてもらいながら、何で皆んなこんなに優しい話し方をしてくれるんだろうって思った。
私に向かってこんなに優しく話しかけてくれる人なんて本当に久しぶりだ…。

HS「俺は…」
「ホシさん!」
HS「あはは!そう!虎の視線!ホシです!でも本名はスニョンだからなるべくスニョンおっぱって呼んで欲しいなー!」
「すにょんにょっぱ🫡!」
WZ「うん、言えてないなㅋㅋㅋ」
SG「もうホシヒョンはにょっぱでいいじゃん!」
HS「え…。」

ごめんなさい、練習します。

WN「俺はいいでしょㅋㅋㅋあ、でもウォヌおっぱって言える?」
「え、言えますよ!うぉぬうぉっぱ🫡!」
WN「無理ㅋㅋㅋ」

いや、笑いすぎですウォヌさん。
これらも練習します。

「おっぱ!」
WZ「おう、でもおっぱ増えたからおっぱだけだったら、なまえがおっぱって呼んだら12人が一斉に振り向くぞ?」
「え、それは怖い。じふなおっぱ!」

さすがにそれは怖いからオッパって呼ぶ時は気をつけないと。

MH「僕もさっき自己紹介したから分かるよね?」
「はい!ミョンホさん!」
MH「ミョンホでもいいし、ミンハオって呼び名もあるからハオオッパでもいいよ!多分なまえはそっちの方が呼びやすいと思う!」
「ありがとうございます!はおおっぱ〜!」

はおおっぱと微笑み合ってると、私の視界にミンギュさんの顔が入ってきた。

「うわぁ!ミンギュさん!」
MG「ミンギュおっぱだよ〜!や〜なまえ年下なら早く言ってよ〜!」
「ミンギュおっぱ私年下だよ!」
MG「え?」
「え?」
WZ「早くって、早口で言えって言う意味じゃないと思うぞㅋㅋㅋ」
「え?」
WN「天然過ぎるㅋㅋㅋ」

あ、なんだ早口で言えって意味じゃないのか。

MG「まあいいやㅋㅋㅋよろしくね、なまえ!」
「はい!ミンギュおっぱ!」
DK「僕はドギョムです!本名はソクミンです!よろしくねー!」
SG「スングァンです!僕もずっとファンです!でも、ずっとヌナだと思ってたのに!」
「ごめんなさい…。」

そうだよね、私はファンに嘘をついてたんだよね…。そりゃ怒るか…。

SG「あー、違うよ!怒ってないよ!なまえにオッパって呼ばれるの嬉しいんだよ!仲良くしてね!」
「はい!」
VN「バーノンです。ハンソルでも好きな方で呼んでね。」
DN「やっと僕の番だ!ディノです!本名はチャンです。この中で唯一の同じ歳だから気楽にしてね!よろしく!」

皆さんの優しい笑顔に私も満面の笑みでよろしくお願いしますと頭を下げた。




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