【04 憧れた人 ーJSー】
SG「あぁぁぁぁ!どうしよう!緊張する!」
HS「や、やばい!俺大丈夫!?イケメン!?」
MG「俺もどう?髪型変じゃない!?」
いや、楽屋の前でそんだけ騒いでたらもう聞こえてると思うけどね。
カルミアの楽屋前でワイワイと騒いでるメンバーより僕が気になるのは、ウォヌとミョンホ。
楽屋に戻って来てから表情が硬い。
2人だってカルミアが好きなはずなのに。
何かあったんだろうか。
いや、そもそもこの2人はあんまり感情を表に出すタイプでもないか。
それでも気になってウォヌに話しかけようとした時、カルミアの楽屋のドアが開いた。
SG「うわっ!」
HS「おい!開ける時は言えって!」
SG「違っ、勝手に開いたんですって!」
ゆっくりと楽屋のドアが開くと、ソラさんが優しく微笑みながら立っていた。
SR『みなさんの声が聞こえたので、開けちゃいました!』
そう言ってにっこりと微笑むソラさんは、テレビで見るよりも柔らかく見える。
SC「お前らが騒ぐからだろ!すみません、騒がしくて。」
MN『大丈夫ですよ!早く入ってください!』
お言葉に甘えてなんて、畏まってるスンチョルが面白いななんて思いながら、それぞれお邪魔しますとカルミアの楽屋に入る。
……え?タバコ臭い?
ふわっと香るタバコの匂いと、それを掻き消そうとするように部屋中に香る香水の匂いに思わず顔を顰める。
WZ「…く…」
同じように眉間に皺を寄せたジフニが何かを言い掛けるから慌てて肩を小突いて首を振る。
この匂いに反応してるのは、俺、ジフニ、ボノニ、ジョンハンといったところか。
ウォヌとミョンホは楽屋に来る前から険しい顔をしてたし。
…もしかして知ってたとか?
そんなわけないよな。面識なんてないし。
SG「うわぁ、本物のカルミアだ!」
DN「緊張します!!!」
手を取り合って嬉しそうにはしゃぐ、スングァニとドギョミとディノ、ニコニコしてるカルミアに緊張気味でそわそわしてるホシとミンギュ、それにウリリーダー。
ジュンは絶賛人見知り発揮中。
SR『ふふっ、えっと、じゃあ私たちから挨拶しますね!』
ソラさんがそう言うとメンバーが立ち上がる。
SR『せーの、ホープアンドスマイル!こんにちは、カルミアです!』
テレビでよく見てた挨拶を目の前で披露してるカルミアに、スングァニ達はただのヲタクとしか見えないような反応をしてる。
WZ「…いない。」
ん?隣で呟くジフニは眉間に皺を寄せたまま、カルミアを見てる。
JS「ん、なんか言った?」
WZ「なまえがいない。」
ジフニの言葉に顔を上げカルミアに視線を移すと確かになまえちゃんの姿がない。
普通メンバーが揃うまで待ってもらうとか、誰か呼んであげるとかするよね?
それなのに、カルミアはなまえちゃんが居ないのがさも当たり前かのように淡々と自己紹介を続ける。
最後の1人、ユンジェさんまで挨拶が終わった。
FY『次は皆さんの紹介もお願いします!』
SC「あ、は、はい!」
…え、いやちょっと待って。
メンバー1人居ないよ?
SC「SAY THE name!アニョハ…」
「ちょっと待って。」
SC「え?」
意外にも声を上げたのはウォヌだった。
DN「ウォヌヒョン、どうしたんですか?」
不思議そうな顔でウォヌを見るメンバー数人、驚いた顔でウォヌを見るメンバー数人。
僕は驚いた側。
WN「なまえ…さん居ないけど、進めていいのかなって…。」
ウォヌの言葉にハッとしたのは、はしゃいだり緊張してたメンバー。
HS「ほんとだ!なまえがいない!」
MG「あー!緊張して気付かなかった!俺がなまえに気付かないなんて!」
SC「こら!呼び捨て!すみません、こいつらいつもカルミア先輩の動画とか見てるのでつい…。」
なまえちゃんの名前が出た途端、カルミアのメンバーが不機嫌になった気がする。
ほら、お前らもちゃんと謝れなんてスンチョルが言ってるけど、なまえちゃんが居ないことに気付かなかったことがショックだったのか、あーだこーだ言って項垂れてる。
MG「だってヒョン!俺がなまえに気付かないなんてあり得ないじゃん!」
HS「俺のなまえ…。」
MG「いや、俺のだって。」
SG「なまえヌナはみんなのです!」
スンチョルとミンギュ達が揉めてる間も、ユンジェさん以外の表情は冷たい。
SC「ほんとすみません。」
SR『いえいえ。あの子、どこ行ったの?』
MN『……さぁ。』
FY『あの子いっつもほっつき歩くんですよ!また新しい獲物でも探してるんじゃない?』
MG「…え?」
HS「獲物…?」
ファヨンさんの言葉にミンギュ、ホシ、ディノ、ドギョミ、スングァニが食いつく。
WZ「…は?」
隣でジフニの不機嫌な声が聞こえる。
MN『ちょっと、オンニ、それ言っちゃだめだよー!』
FY『あ、ごめんごめん。』
態とらしいやり取り。
カルミアってこんなグループだったの…?
MG「あの!え、獲物って…。」
FY『ごめんなさい、聞かなかったことにしてくださいね!』
SG「え、いや、でも…。」
納得いってないスングァニが口を開く前に、口を開いたのはユンジェさんだった。
YJ『なまえ、呼びますね。』
FY『は?』
YJ『いや、だって皆さんなまえに会いたいんですよね?』
ユンジェさんの言葉に困ったような反応を示すミンギュ達と、余計なこと言うなとでも言いたげに鋭い視線を向けるカルミアのみなさん。
そりゃ憧れた人が獲物探し=男探しに行ってると信じてるんだから会うのも戸惑うよね。
DN「なまえヌナ…なまえさんが忙しそうなら、また別のき…」
WN「俺は、会いたいです。なまえさんに。」
SG「ウォヌヒョン!?」
MH「僕も!僕もなまえちゃんに会いたい。」
ウォヌとミョンホが口を開く。
やっぱりこの2人は何かを知っているんだろうなと確信した。
YJ『分かりました。じゃあ呼びますね。』
そう言うと、ユンジェさんはふうっと深呼吸をしたように見えた。
カトクを送ってるのか、ユンジェさんがスマホを置いて数分もしない内に楽屋のドアがノックする音が聞こえた。
その音にユンジェさんが立ち上がり、僕たちの横を通って楽屋のドアを開ける。
そこにはペディンを着たなまえちゃんが立っていた。
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