ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode2

『知らなかった隣人』



Scene4

『夜のリビング』



午後10時。

ROOM 404。



初めての共同作業を終えた夜。



庭にはまだ昼間使った道具が置かれていた。

木材の匂い。

土のついた軍手。

ペンキの跡が残った服。



たった数時間。

でも、

昨日とは違う疲れがあった。



「疲れましたね……」



リビングのソファに座ったスングァンが呟く。



「でも楽しかったです」



「分かります」

ソヨンが笑う。



「知らない人と何かを作るって不思議ですね」





TEAM A



庭チームは、

花壇の位置決めと植物選びを担当した。



スニョンは、

最初から最後まで動き続けていた。



「ここ、もう少し広げた方がいいです!」



「でも通路狭くなりますよ」

チアキが言う。



「……確かに」



スニョンはすぐに笑った。



「チアキさん、意外と現実的ですね」



「え?」



「優しい雰囲気だから、全部いいですねって言うタイプかと思いました」



チアキは少し考える。



「もちろん相手の意見も大事ですけど」



「長く使う場所だから、使いやすい方がいいかなって」



その答えに、

ソヨンが頷いた。



「チアキさんって、優しいけどちゃんと意見がありますよね」



「そうですか?」



「はい」



「そこが素敵だと思います」



チアキは少し照れたように笑った。





【Interview】

スニョン。



「最初は静かな人だと思いました」



「でも一緒に作業すると分かります」



「ちゃんと自分の考えがある人です」



「ただ、それを押し付けない」



「そこがすごいと思いました」





TEAM B



別室。



木材の加工をしていた4人。



スンチョル。

ウォヌ。

ミンギュ。

ジョンハン。



このチームは、

一番会話が少なかった。



でも。

不思議と空気は悪くなかった。



「ここ、少し削った方がいいと思います」

ウォヌが言う。



「そうですね」

ジョンハンが確認する。



「角が丸い方が安全です」



スンチョルを見る。



「どう思いますか?」



「その方がいいですね」



3人の意見をまとめる。



ミンギュが笑う。



「ジョンハンさん、本当に調整役ですね」



「そうですか?」



「自然に全員に聞いてるので」



ジョンハンは少し笑った。



「仕事の癖かもしれません」





作業中。



ウォヌが突然言う。



「チアキさん」



3人が見る。



「さっき庭で」



「木の配置について話していました」



「……よく見ていますね」

ミンギュが言う。



ウォヌは少し考える。



「見るのが癖なので」



ジョンハンはその言葉を聞いて、

少し笑った。



「ウォヌさんもですね」



「何がですか?」



「人を見るところ」



短い沈黙。



ウォヌは否定しなかった。





【Interview】

ジョンハン。



「ウォヌさんは静かな人ですが」



「何も考えていないわけじゃないと思います」



「むしろ、たくさん考えている人だと思いました」





TEAM C



リビングの一角。



ユナ。

チェリン。

ジウォン。

スングァン。



こちらは一番にぎやかだった。



「この写真スペース、絶対ここがいいです」

チェリン。



「でも光の入り方を考えると、ここ」

ユナ。



「二人とも感覚派ですね」

ジウォンが言う。



「私は予算担当になります」



「現実担当ですね」

スングァンが笑う。



「弁護士さんって大変ですね」



「なぜですか?」



「楽しい時でも現実を見るから」



ジウォンは少し笑った。



「必要な役割です」





夜のリビング



午後11時。



全員がリビングに集まる。



ミッション初日。



結果はまだ途中。



でも、

11人の会話は昨日より自然になっていた。



「今日、一番大変だったことは?」

スングァンが聞く。



「僕はペンキ」

ミンギュ。



「服につきました」



「僕は木材」

スンチョル。



「意外と重いですね」



「僕は……」



スニョンが考える。



「休憩すること」



全員を見る。



「ずっと動いていたので」



笑いが起きる。





その時。



チアキがキッチンへ立った。



「何してるんですか?」

ソヨンが聞く。



「お茶を入れようかなって」



「みんな疲れているので」





「チアキさん」

スングァンが言う。



「本当に気付くの早いですね」



「え?」



「誰かが疲れてるとか」



チアキは少し笑った。



「仕事の癖です」



「飛行機の中では、小さい変化を見ることが大事なので」





その会話を、

少し離れた場所で聞いていた人がいた。



ジョンハン。



彼は何も言わなかった。



ただ。



チアキが全員分のお茶を準備している姿を見ていた。



誰かに頼まれたわけではない。



褒められるためでもない。



ただ、

必要だと思ったからしている。





【Interview】

ジョンハン。



「人のために動く人を見ると」



「少し心配になります」



スタッフ。

「なぜですか?」



「そういう人は」



少し間。



「自分が疲れていることに気付くのが遅いからです」





その夜。



11人はまだ知らない。





誰かの小さな行動が、

誰かの印象を少しずつ変えていることを。



恋ではない。



でも、

昨日より少し近い。





【STAFF NOTE】

Episode2 Day2。



第一印象ランキングをもう一度作るなら、

きっと昨日とは違うものになる。



「綺麗な人」

ではなく。



「一緒に暮らしたい人」

という視点に変わり始めていた。





深夜。



ROOM 404。



固定カメラが最後に映したのは、

リビングを出る前に、

誰かが一度振り返った姿だった。



その視線の先には、

まだ片付け途中の庭の設計図。



そして。



そこに書かれた小さな文字。



『みんなが帰ってきたくなる場所』





Episode2 Scene5

『誰かが見ていた』




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