ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode15

『返事の向こう側』

― 返ってきた言葉が、少しずつ人を変えていく。 ―

Day:Monday(共同生活15日目)



Scene1

『返ってきたDiary』

Monday|08:00 AM



朝の404 HOUSE。

キッチンではコーヒーの香りが広がり、

リビングには朝食の準備をする音が響いていた。



「おはようございます。」



チアキが少し眠たそうにリビングへ入る。



「おはよう、チアキ。」



スニョンが自然に声をかける。



「昨日いっぱい歩いたから、まだ足が疲れてる。」



「私もです。」



チアキが笑う。



「筋肉痛になりそうでした。」



「CAさんでも筋肉痛になるんだ。」



スングァンの一言に、

リビングが笑いに包まれる。



全員が朝食を食べ始めた頃、

スタッフがリビングへ入ってきた。



テーブルの上に、

見慣れた木箱が置かれる。



誰もがすぐに気づく。



「404 Diaryです。」



スタッフの一言で、

部屋の空気が少しだけ静かになった。



「第3回404 Diaryの返事をお返しします。」



「返事を書いた相手は分かっています。

今回も内容について話すかどうかは自由です。」



スタッフが一冊ずつ、

Diaryを手渡していく。



チアキは両手で受け取り、

小さく頭を下げた。



「ありがとうございます。」



全員の手元にDiaryが届く。



ページを開く音だけが、

静かなリビングに響く。



チアキ



昨日、自分が書いたページ。

その次のページには、

返事が丁寧な文字で綴られていた。



あなたの言葉を読んで、
今日という一日を思い返しました。

私も、あなたの笑顔を見て
自然と笑顔になっていました。

また一緒に笑える日を楽しみにしています。



チアキはゆっくり読み終える。



そして、

もう一度最初から読み返した。



「……。」



何も言わない。



でも、

口元には小さな笑みが浮かんでいた。



ミンギュ



ページをめくる。



あなたの言葉を読んで、
今日の景色を思い出しました。

あなたが笑っていると、
周りも自然と笑顔になっていました。

その時間を一緒に過ごせてよかったです。



「……。」



ミンギュは少し照れたように笑う。



「いい返事。」



誰にも聞こえない声だった。



ウォヌ



静かにページを開く。



返事は短かった。



あなたの言葉を読んで、
景色だけじゃなく、
人の表情も残したくなりました。

ありがとうございました。



ウォヌは返事を読んだあと、

ページを閉じずに、

しばらくその文字を見つめていた。



スンチョル



あなたが見ていた景色を、
私も見てみたくなりました。

今日も笑顔でいてください。



「……。」



スンチョルは自然と微笑む。



「いい言葉だな。」



ソヨン



あなたが笑っていてくれたことが、
私もうれしかったです。

その笑顔を大切にしてください。



ソヨンは優しくページを撫でた。



「ありがとうございます。」



誰に向けた言葉でもない。



それでも、

自然とそう呟いていた。



スングァン



返事を読んだ瞬間、

思わず吹き出す。



「ふふっ。」



ジョンハンが顔を上げる。



「どうしました?」



「いや。」



「なんか元気出ました。」



それだけ言って、

またページへ目を落とした。



リビング



誰も、

「誰からだった?」

とは聞かない。



誰も、

「誰に送ったの?」

とも聞かない。



それが404 Diary。



送り先は知っている。



でも、

送り主は最後まで分からない。



静かな時間が流れる。



その中で、

チアキが何気なく顔を上げた。



目の前では、

ウォヌがまだDiaryを開いたまま考え込んでいる。



少し離れたソファでは、

ミンギュが返事を読み返していた。



スングァンは笑顔のままページを閉じ、

ジョンハンはゆっくりと栞を挟んでいる。



返ってきたのは、

たった数行の返事。



それなのに、

404 HOUSEの朝は、

昨日までとは少し違って見えた。



【STAFF NOTE】

404 Diaryに返ってくるのは、

答えではない。



誰かの言葉。

誰かの時間。

誰かが自分のために考えてくれた数分間。



その事実だけで、

人の心は少し変わる。



返事を書いた相手の顔は分かる。



だからこそ、

昨日よりも少しだけ、

その人を目で追ってしまう。



恋ではない。



まだ、

“気になる”にも名前はない。



けれど、

返ってきた言葉は確かに、

11人の月曜日を静かに変え始めていた。



次回 Scene2

Monday|09:30 AM

『それぞれの月曜日』

仕事へ向かう人。

404 HOUSEに残る人。

いつも通りの月曜日のはずなのに、

昨日より少しだけ、お互いを見る目が変わっていた。




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