ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode15

『返事の向こう側』

― 返ってきた言葉が、少しずつ人を変えていく。 ―

Day:Monday(共同生活15日目)



Scene5

『返事の意味』

Monday|夕方



それぞれの場所で、それぞれの月曜日が流れていた。

同じ家で暮らしていても、

今この瞬間、見ている景色は誰一人同じではない。

けれど、朝受け取った404 Diaryの返事だけは、

誰の心にも静かに残り続けていた。



04:15 PM

会社・ミンギュ

デスクに向かい、パソコンの画面を見つめるミンギュ。

会議が終わり、一息つくと、

昼休みに保存したスマートフォンのメモを開く。

そこには、Diaryの返事の一文が残されていた。

「あなたと過ごした時間は、
今日の景色と一緒に心に残っています。」

ミンギュはその文章をもう一度読み返し、

小さく笑う。



「……こういう言葉、好きだな。」



仕事中にもかかわらず、

その一文を読むだけで気持ちが少し和らいだ。



04:40 PM

404 HOUSE・ウォヌ

読みかけの本を閉じ、

テーブルに置かれたDiaryをもう一度開く。

返事を読み返しながら、

ふとペンを持つ。

ノートの片隅に、

返事の中で一番印象に残った言葉だけを書き写した。



「少しだけ前を向いてみようと思えました。」



誰かが自分の言葉を、

そんなふうに受け取ってくれた。

それが思った以上に嬉しかった。



05:00 PM

ラジオ局・スングァン

収録前の控室。

台本を確認しながらも、

ふとバッグからDiaryを取り出す。

スタッフに呼ばれるまでの数分。

その返事をもう一度読んだ。



「元気をもらいました。」



その短い一文に、

自然と笑顔になる。



「よし。」



小さく気合いを入れ、

スタジオへ向かっていった。



05:20 PM

空港・チアキ

韓国国内線のフライトを終え、

次の便までの短い休憩時間。

クルールームで制服のジャケットを整えながら、

バッグに入れていたDiaryをそっと取り出す。

何度読んでも、

返事の文字を見るたびに心が温かくなる。



「あなたが笑っていた時間を思い出しました。」



「……。」



チアキはその文字を見つめながら、

ふと首をかしげた。



「この書き方……。」



柔らかく丸みのある文字。

丁寧な言い回し。

どこかで見たことがある気がする。



もちろん、

送り主を考えてはいけないルールではない。

でも、決めつけることもできない。



「気のせいかな。」



そう呟いてDiaryを閉じる。

けれど、

その小さな違和感は心の中に残り続けていた。



05:45 PM

404 HOUSE・ソヨン

夕食の準備をしながら、

朝読んだ返事を思い返していた。



「名前がないからこそ、

言葉だけをまっすぐ受け取れる。」



昨日ユナが言っていた言葉が、

今になって胸に響く。



誰から届いた返事なのか。

それよりも、

その言葉を大切にしたい。

そう思えた。



夕方。

離れた場所で過ごしていても、

11人の心には同じように、

404 Diaryの返事が残っていた。



たった数行の文章。

それだけなのに、

何度も読み返したくなる。



そして少しずつ、

“言葉”と”誰かの姿”が結びつき始める。



まだ確信はない。



でも、

「もしかしたら。」

そんな小さな予感が、

静かに芽生え始めていた。



【STAFF NOTE】

共同生活15日目。



404 Diaryには名前がない。

だからこそ、

返事を読む人は”言葉”だけを見る。



しかし共同生活を重ねるうちに、

口癖や言い回し、

文字の雰囲気、

相手の考え方が少しずつ分かってくる。



「この言葉は、あの人かもしれない。」



その想像は、

恋心ではなく、

相手を知ろうとした時間の積み重ねから生まれる。



404 Diaryは、

少しずつ”匿名の手紙”から、

“誰かを思い浮かべる手紙”へ変わり始めていた。



次回 Scene6

Monday|07:00 PM

『おかえり』

仕事を終えたメンバーが一人、また一人と404 HOUSEへ帰ってくる。

そして夕方のフライトを終えたチアキにも、

いつものように温かい「おかえり」が待っていた。




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