ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode15

『返事の向こう側』

― 返ってきた言葉が、少しずつ人を変えていく。 ―

Day:Monday(共同生活15日目)



Scene9【UNSEEN】

Monday|11:50 PM



404 HOUSE。

今日も静かな夜が訪れる。

リビングの明かりは消え、

それぞれが自室で眠りにつく準備をしていた。



スタッフカメラは、

いつものように静かにその時間を映している。



チアキの部屋

ベッドサイドの小さなライトだけが部屋を照らしている。

チアキはパジャマ姿でベッドに腰掛けると、

引き出しから一冊の404 Diaryを取り出した。



昼間にも読んだ返事。

それでももう一度、

ゆっくりとページを開く。



あなたの言葉を読んで、
今日という一日を思い返しました。

私も、あなたの笑顔を見て
自然と笑顔になっていました。

また一緒に笑える日を楽しみにしています。



チアキは最後の一文を、

もう一度だけ読み返す。



「……。」



小さく息をつき、

自然と笑みがこぼれた。



「うれしいな……。」



誰にも聞こえないほど小さな声。



Diaryを閉じる前に、

指先でページをそっとなぞる。



そして大切そうに胸へ抱き寄せ、

静かに引き出しへ戻した。



「おやすみなさい。」



誰に向けた言葉でもない。



部屋の灯りが消える。



ミンギュの部屋

ベッドに寝転びながら、

スマートフォンを置く。



ふと視線が机へ向く。



その上には、

閉じたままの404 Diary。



少し迷ってから、

もう一度手に取る。



返事を読み返し、

照れたように笑う。



「……頑張ろう。」



それだけ呟き、

今度こそ電気を消した。



ウォヌの部屋

机の上には今日読んでいた小説。

その隣にDiaryが置かれている。



ウォヌはページを開き、

返事を見つめる。



「誰かといる時間も悪くない。」



昼間、

自分が口にした言葉を思い出す。



少しだけ笑うと、

栞を挟むようにDiaryを閉じた。



スングァンの部屋

ベッドへ飛び込むように寝転び、

天井を見つめる。



「今日はいい日だったな。」



そう呟いて笑う。



枕元には、

返事をもらったDiary。



手を伸ばしかけて、

少し考え、

そのまま電気を消した。



「また明日。」



スタッフモニタールーム

複数のモニターには、

眠りにつく11人の姿。



ディレクターは今日の映像を見返しながら、

静かにメモを書き残す。



STAFF NOTE

返ってきたのは、
返事だけではない。

誰かに届いたという安心。

誰かに受け止めてもらえたという喜び。

そして、
昨日より少しだけ、
相手を気にかけるようになった自分。



別のスタッフが映像を止める。



画面には、

Diaryを胸に抱くチアキ。



「この表情、昼間はありませんでしたね。」



ディレクターが頷く。



「一人になった時に出る表情は、本音に近い。」



「共同生活を始めてまだ15日。」



「恋愛禁止だから何も起きない、じゃない。」



「“好き”という言葉になる前に、

人は安心を覚え、

信頼を覚え、

帰ってきたい場所を見つけていく。」



モニターの電源が一つずつ落とされる。



静かな404 HOUSE。



今日返ってきた数行の言葉は、

11人それぞれの心に、

小さな変化を残していた。



その変化はまだ、

誰にも見えない。



けれど確かに、

明日の404 HOUSEを少しだけ変えていく。



画面はゆっくりと暗転する。



END OF EPISODE 15

次回予告

Episode16

『帰る場所』

Day:Tuesday(共同生活16日目)

仕事の日も、

休日の日も、

404 HOUSEには「おかえり」がある。

忙しい朝、

疲れて帰る夜、

何気ない食卓。

そのすべてが、

少しずつ11人にとって”帰る場所”になっていく。

そして、

誰かにとっての「当たり前」が、

誰かにとっての「特別」に変わり始める、新しい一日が始まる。




ノベルに戻る I Addict