ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode16

『帰る場所』

― 特別じゃない毎日が、特別な思い出になっていく。 ―

Day:Tuesday(共同生活16日目)



Scene1

『静かな朝』

Tuesday|09:00 AM



404 HOUSEに、穏やかな朝の日差しが差し込む。

平日とは思えないほど静かな朝。

今日は休日のメンバーが多く、家全体がゆっくりとした時間に包まれていた。



休日

・チアキ

・ウォヌ

・ソヨン



午後から出勤

・ミンギュ



在宅ワーク

・ユナ



午前レッスンのみ

・スニョン



夜の生放送のみ

・スングァン



リビングではコーヒーメーカーが静かに音を立てている。

チアキはマグカップを二つ手に取り、一つをウォヌの前へそっと置いた。



「ウォヌさん、ブラックで大丈夫ですか?」



ウォヌは本から顔を上げ、小さく微笑む。



「ありがとうございます。」

「ちょうど飲もうと思ってました。」



「よかったです。」



チアキも自分のカップを持ち、ウォヌの向かいへ腰を下ろす。

テレビはついているものの音量は小さく、ニュースが静かに流れているだけだった。

会話がなくても、不思議と気まずさはない。



少ししてソヨンがキッチンから顔を出した。



「パン焼けましたよ。」



「わあ、いい匂い。」

チアキが笑顔になる。



「今日はフレンチトーストにしてみました。」



「朝から豪華ですね。」

ウォヌが少し驚いたように言う。



「休日くらいは、ゆっくり朝ごはんを食べたいじゃないですか。」

ソヨンはそう言って笑った。



三人でテーブルを囲み、ゆっくりと朝食を楽しむ。



そこへ、寝癖のついたままのスングァンが眠そうな表情でリビングへ現れた。



「おはようございまーす……。」



「おはよう。」

ソヨンが笑う。



「スングァンさん、まだ眠そうですね。」

チアキが声をかける。



「夜の仕事だから、朝はどうしても弱いんですよ。」



そう言いながら椅子へ座ると、目の前にコーヒーが置かれた。



「はい。」



チアキだった。



「ありがとうございます……。」



一口飲んだスングァンは、大きく息をつく。



「生き返った。」



その言葉に三人が笑う。



午前十時前。

午前のレッスンへ向かう準備を終えたスニョンがリビングへやって来た。



「行ってきます!」



「行ってらっしゃい。」



「気をつけて。」



自然と重なる声。

スニョンは嬉しそうに笑う。



「みんな休日なの、ちょっとうらやましい!」



「レッスン頑張ってください。」

チアキが笑顔で送り出す。



「ありがとう!」



玄関のドアが閉まる。



その直後、ミンギュもスーツ姿でリビングへ降りてきた。

今日は午後からの出勤。

少し余裕のある朝だ。



「おはよう。」



「おはようございます。」

チアキが笑顔で挨拶を返す。



ミンギュはテーブルに並んだ朝食を見て目を丸くした。



「え、フレンチトースト?」



「ソヨンさんが作ってくれました。」



「すごい。」



席に座り、一口食べる。



「おいしい。」



「よかった。」

ソヨンがほっとしたように笑う。



ミンギュは何気なく周りを見渡した。

笑いながら朝食を食べるメンバー。

誰かがコーヒーを淹れ、

誰かがパンを焼き、

誰かが「おはよう」と言う。



ほんの二週間前までは、

知らない人たちだった。



それなのに今は、

この朝の景色が当たり前になっている。



チアキは窓の外を眺めながら、小さく呟いた。



「今日はいい天気ですね。」



「買い物日和かも。」

ソヨンが言う。



「じゃあ、お昼前にスーパーへ行きませんか?」



「いいですね。」

ウォヌも頷く。



「今日の晩ご飯、みんなが好きなものを作りましょう。」



「賛成。」



自然に決まる予定。

誰かが提案し、

誰かが笑って頷く。



そんな何気ない朝が、

404 HOUSEでは少しずつ、

“日常”になっていた。



【STAFF NOTE】

共同生活16日目。



恋愛リアリティ番組なのに、

誰も恋の話をしていない朝。



話しているのは、

朝ごはんのこと。

今日の予定。

晩ご飯の献立。



それでもスタッフは知っている。



こういう何気ない時間こそ、

人との距離を一番近づけることを。



“好き”より先に生まれるもの。



それは、

「この人と過ごす朝は心地いい。」

という、

小さな安心なのかもしれない。




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