ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode16
『帰る場所』
― 特別じゃない毎日が、特別な思い出になっていく。 ―
Day:Tuesday(共同生活16日目)
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Scene3
『それぞれの午後』
Tuesday|14:00 PM
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買い出しから戻った404 HOUSE。
玄関にはスーパーの袋。
キッチンには今日の夕食の材料。
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「じゃあ、冷蔵庫入れるね。」
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ウォヌが袋を持ちながら言う。
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「ありがとう。」
ソヨンが答える。
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「チアキ、それ重いでしょ。置いて。」
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ミンギュが仕事へ行く前、リビングへ戻ってきた。
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「大丈夫です。」
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チアキはいつものように笑う。
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「でも、ありがとうございます。」
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「相変わらず敬語だね。」
ミンギュが笑う。
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「……すみません。」
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その返事に、
近くにいたスングァンが吹き出す。
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「そこ謝るところじゃないって(笑)。」
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「でもチアキらしいよね。」
スニョンも笑う。
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チアキは少し困ったように笑った。
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「皆さんが優しいので……。」
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「だからそのままでいいって。」
ジョンハンが言う。
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「無理に変えなくても、チアキはチアキだから。」
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その言葉に、
チアキは少しだけ照れたように頷いた。
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14:30 PM
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午後。
404 HOUSEはそれぞれの時間へ戻っていく。
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リビング
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ウォヌはソファに座り、
静かに本を読んでいる。
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以前なら、
自室で一人過ごすことが多かった。
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でも今は、
誰かがいるリビングでも、
自然に自分の時間を過ごせるようになっていた。
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そこへチアキが洗濯物を抱えてやってくる。
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「ウォヌさん、ここ通って大丈夫ですか?」
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「うん、大丈夫。」
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チアキが窓際へ向かい、
洗濯物を干していく。
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しばらく二人の間に会話はない。
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でも、
その沈黙は気まずくなかった。
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ウォヌが本を閉じる。
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「チアキ。」
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「はい?」
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「前より、この家に慣れた?」
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突然の質問に、
チアキは少し考える。
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「……はい。」
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「最初は、皆さんと生活するのが少し緊張しました。」
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「でも今は。」
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洗濯物を整えながら笑う。
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「帰ってきた時に誰かがいるのが、嬉しいです。」
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ウォヌは静かに頷いた。
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「分かる気がする。」
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ユナの部屋
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一方、ユナはオンライン会議中。
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「はい、その資料は今日中に確認します。」
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仕事モードの真剣な表情。
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リビングで見せる柔らかい姿とは違う一面。
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会議を終えると、
大きく息を吐いた。
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「疲れた……。」
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すると、
ドアの外から声が聞こえる。
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「ユナ、コーヒー置いとくね。」
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ソヨンだった。
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「ありがとう。」
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「休憩してね。」
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「うん。」
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短いやり取り。
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でも、
一緒に暮らしているからこそ生まれる自然な気遣いだった。
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15:30 PM
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玄関のドアが開く。
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「ただいまー。」
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午前のレッスンを終えたスニョンが帰宅する。
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「おかえり。」
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リビングから声が返る。
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「疲れた?」
スングァンが聞く。
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「疲れた。」
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スニョンは靴を脱ぎながら笑う。
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「でも帰ってきたら元気出た。」
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「単純(笑)。」
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「いいじゃん。」
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二人の軽いやり取りに、
チアキも思わず笑う。
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「仲良いですね。」
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「長い付き合いだからね。」
スニョンが答える。
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その会話を聞きながら、
チアキは少し嬉しそうに微笑んだ。
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韓国語で自然に会話するメンバー。
冗談を言い合うメンバー。
何気なく名前を呼ぶ声。
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最初は遠く感じた輪の中に、
今は少しずつ入れるようになっている。
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16:30 PM
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ミンギュが出勤前にリビングを出る。
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「じゃあ行ってくる。」
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「頑張って。」
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「気をつけて。」
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「行ってらっしゃい。」
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自然に声が重なる。
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ミンギュは玄関で振り返る。
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「帰ったら夕飯楽しみにしてる。」
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「待ってます。」
チアキが笑う。
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「……。」
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ミンギュは少しだけ嬉しそうに笑った。
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「じゃあ行ってきます。」
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扉が閉まる。
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残ったメンバーは、
それぞれの午後へ戻っていく。
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誰かは仕事。
誰かは休息。
誰かは家事。
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同じ家にいても、
同じ時間を過ごさなくてもいい。
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でも、
最後には同じ場所へ帰ってくる。
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それが、
404 HOUSEの日常になっていた。
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【STAFF NOTE】
共同生活16日目。
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会話の距離。
呼び方。
過ごし方。
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16日前とは、
すべてが少しずつ変わっている。
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特別なイベントがなくても、
人は毎日の小さな積み重ねで、
誰かを大切な存在にしていく。
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今日も404 HOUSEには、
何気ない「ただいま」と「おかえり」がある。
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