ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode16

『帰る場所』

― 特別じゃない毎日が、特別な思い出になっていく。 ―

Day:Tuesday(共同生活16日目)



Scene5

『みんなで夕食』

Tuesday|19:30 PM



404 HOUSEのキッチンには、

温かい料理の香りが広がっていた。



今日の夕食担当は、

チアキとウォヌ。



メニューは、

肉じゃが。

韓国風サラダ。

味噌汁。

そして、みんなで食べられるおかず。



「味、どうですか?」



チアキが少し不安そうに聞く。



ウォヌは味見をして、

少し考える。



「……おいしい。」



「本当ですか?」



「うん。」



「最初より、すごく慣れたと思う。」



その言葉に、

チアキは嬉しそうに笑った。



「みんなが教えてくれたからです。」



「韓国料理も、生活も。」



「私、一人だったらこんなに早く慣れなかったと思います。」



ウォヌは静かに頷く。



「俺たちも同じだと思う。」



「チアキが来て、変わったこともあるから。」



その言葉に、

チアキは少し驚いた顔をする。



でも、

すぐに柔らかく笑った。



19:45 PM



11人が揃うリビング。



「いただきます。」



声が重なる。



最初の頃は、

全員で食卓を囲んでも少し緊張があった。



今は、

誰かが話し、

誰かが笑い、

誰かが料理を取り分ける。



自然な時間になっていた。



「肉じゃが、本当に日本の家庭料理って感じする。」

スニョンが言う。



「ご飯に合う。」

ミンギュも頷く。



「よかったです。」

チアキが笑う。



「ミンギュさん、今日買い物ありがとうございました。」



「いや、全然。」



「でも……。」



チアキが少し気づく。



「これ。」



テーブルの端に置かれた袋。



「日本のお菓子?」



ミンギュが少し照れたように笑う。



「ああ。」



「スーパーで見つけたから。」



「チアキ、こういうの好きかなって。」



一瞬、

チアキが目を丸くする。



「覚えてたんですか?」



「前に食べてたから。」



「……。」



チアキは袋を手に取る。



「ありがとうございます。」



その表情は、

普段より少し子どもっぽい。



「わあ……懐かしい。」



「日本にいた時、よく買ってました。」



「そんなに好き?」

スングァンが覗き込む。



「好きです。」



即答。



その返事に、

みんなが笑う。



「そんなチアキ初めて見た。」

スニョンが笑う。



「いつも落ち着いてるから。」



「そんなに嬉しいんだ。」



チアキは少し恥ずかしそうにする。



「だって、日本のお菓子を見つけてくれたのが嬉しいです。」



「味もですけど……。」



少し間を置いて、

続ける。



「私のことを考えて選んでくれたことが。」



その言葉に、

一瞬だけ空気が静かになる。



ミンギュも少し照れたように笑う。



「それくらい普通だよ。」



でも、

その”普通”が、

誰かにとっては特別だった。



食事の後



みんなでデザート代わりに、

買ってきた日本のお菓子を開ける。



「これ、一番人気どれ?」

スングァンが聞く。



「これです。」

チアキが答える。



「じゃあ食べてみる。」



「どう?」



一口食べたスングァンが考える。



「……おいしい。」



「でもチアキが嬉しそうなのが一番分かる。」



「え?」



「今日一番笑ってる。」



その言葉に、

チアキは少し照れて笑う。



「そうですか?」



「うん。」



ミンギュはその様子を見ながら、

静かに微笑んでいた。



20:30 PM



食器を片付けながら、

ウォヌがキッチンを見る。



「今日の夕食、良かったね。」



チアキが頷く。



「はい。」



「こういう時間が、一番楽しいかもしれません。」



特別なイベントじゃない。

撮影用の企画でもない。



ただ、

みんなでご飯を食べて、

誰かが買ってきたお菓子で笑う。



そんな普通の夜。



でも、

404 HOUSEの11人にとって、

その普通が少しずつ大切なものになっていた。



【STAFF NOTE】

共同生活16日目。



誰かの好きなものを覚えている。

誰かが喜ぶ顔を想像して買ってくる。



それは、

大きな愛情表現ではない。



でも、

一緒に暮らす中で生まれる、

小さな「大切にしている」の形。



今日、

ミンギュが買ってきた日本のお菓子。



その価値は、

お菓子そのものではなく、

「自分のことを考えてくれた人がいる」

という事実だった。



次回 Scene6

Tuesday|21:00 PM

『夜のリビング』

夕食後のゲーム時間。

負けず嫌いなメンバー。

大きな笑い声。

そして、チアキが自然に声を出して笑う瞬間。

404 HOUSEが本当の”家”に近づいていく夜。




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