ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode16
『帰る場所』
― 特別じゃない毎日が、特別な思い出になっていく。 ―
Day:Tuesday(共同生活16日目)
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Scene6
『夜のリビング』
Tuesday|21:00 PM
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夕食の片付けが終わった404 HOUSE。
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キッチンには、食器が綺麗に並び、
リビングにはゆったりとした時間が流れていた。
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「ねえ、久しぶりにやろうよ。」
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スングァンがテーブルの上にカードゲームを置く。
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「また?」
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ジョンハンが笑う。
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「前回、俺が負けたから。」
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「いや、普通に弱かっただけじゃん。」
スニョンが即答する。
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「違う!」
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スングァンがすぐに反応する。
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「運が悪かっただけ。」
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「毎回それ言ってる。」
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そのやり取りに、
リビングに笑い声が広がる。
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『負けた人が食器洗い』
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今回のルール。
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最後に一番負けた人が、
明日の朝食の食器洗い担当。
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「絶対負けない。」
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スングァンが真剣な顔になる。
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「その顔する時、大体負けるよね。」
ウォヌが珍しく冗談を言う。
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一瞬、
全員がウォヌを見る。
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「……。」
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「今、ウォヌが冗談言った?」
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スングァンが驚く。
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「言った。」
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「成長した。」
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「何それ。」
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ウォヌが少し笑う。
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以前なら、
こんなふうにみんなの輪の中で冗談を言うことは少なかった。
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でも今は、
自然に会話へ入っている。
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ゲーム開始
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カードを引く。
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「え、待って。」
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ミンギュがカードを見る。
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「これ……。」
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「何?」
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「俺、負けじゃない?」
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「早い!」
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みんなが笑う。
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「ミンギュ、まだ始まったばかり。」
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スニョンが笑いながら言う。
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「でも顔に出てる。」
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「そんなに?」
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「分かりやすい。」
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チアキも思わず笑う。
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「ミンギュさん、本当に表情に出ますね。」
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その言葉に、
ミンギュが振り返る。
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「チアキもそう思う?」
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「はい。」
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即答。
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リビングに笑い声が響く。
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「チアキ、最近ツッコミできるようになったね。」
スングァンが嬉しそうに言う。
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「え?」
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「最初は全部『すごいですね』『そうなんですね』だった。」
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「今はちゃんと笑って言い返してくれる。」
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チアキは少し照れる。
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「皆さんが話しかけてくれるからです。」
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その返事に、
一瞬だけ優しい空気が流れる。
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21:45 PM
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ゲームは終盤。
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現在最下位。
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スングァン。
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「……。」
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「なんで。」
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「俺、今日何回負けた?」
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「5回。」
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ウォヌが淡々と答える。
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「数えてたの!?」
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また笑いが起こる。
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「じゃあ決まり。」
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「スングァン、明日の朝よろしく。」
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「嫌だ!」
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「でもルールだから。」
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スングァンは大げさに肩を落とす。
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「俺、今日ラジオも頑張ったのに……。」
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「関係ない(笑)」
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みんなが笑う。
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チアキも、
声を出して笑っていた。
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自分でも気づかないくらい自然に。
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22:00 PM
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ゲームを片付けながら、
チアキはふと周りを見る。
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笑い合う声。
名前を呼ぶ声。
誰かが誰かをからかう声。
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最初の日。
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この家で、
自分だけが違う場所にいるような気がしていた。
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言葉も文化も違う。
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でも今は。
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「ただいま」
と言えば、
「おかえり」
が返ってくる。
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「笑っていい場所」
になっていた。
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ミンギュがカードを片付けながら言う。
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「チアキ、今日よく笑ってたね。」
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「え?」
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「最初より、笑顔増えた。」
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チアキは少し考える。
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そして、
小さく笑った。
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「……楽しいからです。」
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その答えに、
ミンギュも笑う。
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「そっか。」
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短い会話。
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でも、
その瞬間をスタッフカメラは静かに記録していた。
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【STAFF NOTE】
共同生活16日目。
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恋愛を探すために集まった11人。
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でも、
最初に生まれたものは恋ではなかった。
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安心。
信頼。
そして、
「この人たちがいる場所へ帰りたい」
という気持ち。
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恋の始まりは、
特別な瞬間だけではない。
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誰かと笑った夜。
何気ない会話。
自然な沈黙。
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その全部が、
少しずつ心の距離を変えていく。
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次回 Scene7
Tuesday|Interview
『404 HOUSEで、一番”家”だと感じた瞬間は?』
それぞれが語る、
この場所が特別になった理由。
→
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