ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode17
『言えない想い』
― 直接言えないからこそ、言葉にする。 ―
Day:Wednesday(共同生活17日目)
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Scene3
『家に残った人たち』
Wednesday|午後
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水曜日の午後。
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404 HOUSEには、
いつもの賑やかさとは少し違う静かな時間が流れていた。
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仕事へ向かったメンバー。
外出しているメンバー。
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家に残っているのは、
ウォヌ、ジョンハン、ソヨン。
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リビングには、
コーヒーの香りとページをめくる音だけが響いていた。
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リビング
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ウォヌはソファで本を読んでいる。
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以前のウォヌなら、
自分の部屋で一人で過ごしていた時間。
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でも今は、
誰かがいるリビングでも、
自然に過ごせるようになっていた。
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ジョンハンがキッチンからコーヒーを持ってくる。
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「ウォヌ。」
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「ん?」
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「最近、ここにいること増えたね。」
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ウォヌは本から顔を上げる。
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「そう?」
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「うん。」
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「前は部屋から出てこない日もあったじゃん。」
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「……。」
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ウォヌは少し考える。
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「前は。」
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「一人の方が楽だと思ってた。」
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ジョンハンは黙って聞く。
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「でも。」
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「今は、誰かがいる場所も悪くないと思う。」
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その言葉に、
ソヨンが優しく笑う。
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「それって、すごく大きい変化ですね。」
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ウォヌは少し照れたように笑う。
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「そうかな。」
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「はい。」
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「ウォヌさん、最初は本当に人との距離を大事にしてましたから。」
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17日前の記憶
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最初の頃。
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食事の時間。
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ウォヌは必要な会話だけをしていた。
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誰かが話していても、
静かに聞いているだけ。
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自分から輪に入ることは少なかった。
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でも今。
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冗談に反応する。
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笑う。
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時々、自分から話題を出す。
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小さな変化。
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でも、
一緒に暮らしている人たちは気づいていた。
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ソヨン
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ソヨンはキッチンで紅茶を淹れる。
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「不思議ですね。」
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「何が?」
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ジョンハンが聞く。
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「最初は、みんな本当に知らない人だったのに。」
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カップを3つ並べながら言う。
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「今は。」
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「帰ってくる時間とか。」
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「好きな食べ物とか。」
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「疲れてる時の顔とか。」
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「自然に分かるようになりました。」
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ジョンハンが頷く。
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「確かに。」
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「最初は相手のことを知ろうとしてた。」
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「でも今は、知らないうちに覚えてる。」
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その言葉に、
3人とも少し静かになる。
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『同居人』から『仲間』へ
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ジョンハンが窓の外を見る。
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「最初の日、覚えてる?」
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「全員ちょっと気まずかったよね。」
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ウォヌが頷く。
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「誰がどこに座るかも気にしてた。」
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ソヨンが笑う。
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「今なら、誰かが勝手に座ってますね。」
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「ミンギュなんて絶対真ん中。」
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「分かる。」
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3人が笑う。
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その笑い声は、
以前なら生まれなかったものだった。
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夕方前
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スマートフォンに通知が入る。
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404 HOUSEのグループチャット。
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ミンギュ
仕事終わったら帰る。何か買って帰るものある?
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すぐに返信が並ぶ。
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スングァン
アイス。
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スニョン
俺も。
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ジョンハン
多すぎ(笑)
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ウォヌも画面を見る。
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少し迷ってから、
短く入力する。
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コーヒー。
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送信。
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数秒後。
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ミンギュ
了解。
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ウォヌはスマートフォンを見る。
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そして、
少しだけ笑った。
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以前なら、
自分から頼み事をすることは少なかった。
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でも今は。
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「お願いしてもいい相手」
がいる。
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【STAFF NOTE】
共同生活17日目。
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人との距離が縮まる瞬間は、
大きな出来事ではない。
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「一緒にいても疲れない。」
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「沈黙が苦しくない。」
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「何気ない連絡を送りたいと思う。」
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そんな小さな変化の積み重ね。
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404 HOUSEの11人は、
少しずつ。
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「同じ家に住む人」
から、
「帰ってきたいと思える仲間」
へ変わっていた。
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次回 Scene4
Wednesday|18:30 PM
『帰宅』
疲れたチアキ。
いつもの笑顔を作ろうとする彼女に、
ミンギュが気づく。
「大丈夫?」
言葉にできない疲れを、
誰かが初めて見つける。
→
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