ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode17

『言えない想い』

― 直接言えないからこそ、言葉にする。 ―

Day:Wednesday(共同生活17日目)



Scene8【UNSEEN】

『閉じたページの向こう側』

Wednesday|深夜



404 HOUSE。



全員の部屋の明かりが、

少しずつ消えていく。



長かった一日が終わる。



でも、

スタッフカメラはまだ動いていた。



チアキの部屋



机の上。



閉じられた404 Diary。



その隣には、

何度も書き直した跡が残った紙。



チアキは、

しばらくそのページを見つめていた。



今日の出来事。



疲れて帰った自分。



それに気づいてくれた言葉。



「大丈夫じゃない時も、大丈夫って言う人いるから。」



その言葉を思い出す。



誰かに弱いところを見せること。



誰かに頼ること。



今まで、

あまり得意ではなかった。



でも。



この家では、

少しずつ変わっている。



「……。」



チアキはDiaryを閉じる。



名前は書かなかった。



書けなかった。



でも。



誰に向けた言葉なのか、

自分だけは分かっていた。





スタッフモニター



スタッフルーム。



今日一日の映像を確認するスタッフ。



画面には、

それぞれのDiaryを書く姿が映っている。



ペンを止める人。



何度も消す人。



短い言葉に想いを込める人。



ディレクターが静かに言う。



「今回は……。」



「みんな、相手に伝えるためというより。」



「自分の気持ちを確認している感じがしますね。」



誰もすぐには返事をしない。





ミンギュの部屋



ミンギュは、

書き終えたDiaryを閉じる。



そして、

少しだけスマートフォンを見る。



グループチャット。



最後のメッセージ。



誰かが送ったスタンプ。



それを見て、

小さく笑う。





ウォヌの部屋



ウォヌは、

机の上のDiaryを見る。



以前なら。



こんなふうに誰かへ言葉を残すことはなかった。



でも今は。



「伝えたい」

と思う自分がいる。



その変化を、

静かに受け入れていた。



【STAFF NOTE】

共同生活17日目。



人の気持ちは、

突然変わるものではない。



大きな出来事があって、

急に恋になるわけでもない。





気づいたら、

その人の帰宅時間を気にしている。



気づいたら、

その人の表情を見ている。



気づいたら、

伝えたい言葉が増えている。





名前のない想い。



形にならない感情。



でも。



確かに、

そこに存在しているもの。



404 Diaryは、

その小さな変化を記録していた。



深夜00:30



404 HOUSE。



全員が眠りにつく。



明日には、

誰かの元へDiaryの返事が届く。



その数行の言葉が、

誰かの一日を変えることになる。



カメラは、

静かに閉じられたDiaryを映す。



画面が暗くなる。



Episode17 END



次回予告

Episode18

『届いた優しさ』

Thursday(共同生活18日目)



第4回404 Diaryの返事が届く。



たった数行の文章。



でも、

その言葉を何度も読み返してしまう人。



送り主を考えてしまう人。



そして初めて。



「また、この人の言葉を読みたい」

と思う人が現れる。




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