ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode18
『届いた優しさ』
― 気づかない優しさが、誰かを支えている。 ―
Day:Thursday(共同生活18日目)
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Scene2
『誰にも言わない変化』
Thursday|Morning
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404 HOUSE。
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いつも通りの朝。
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……のはずだった。
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誰も、
昨日のDiaryについて話さない。
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誰から届いたのか。
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何が書いてあったのか。
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聞くことは禁止されている。
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そして、
誰も聞こうとはしなかった。
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でも。
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昨日までとは、
少しだけ違う。
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キッチン
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朝食の準備。
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ソヨンが冷蔵庫を開ける。
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「卵、少なくなってるね。」
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いつもなら、
買い物リストに追加するだけ。
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でも今日は。
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ウォヌが先にメモを書く。
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「帰りに買ってくる。」
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ソヨンが少し驚く。
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「ウォヌが?」
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「うん。」
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「いつも誰かが気づいてるから。」
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それだけ言って、
ウォヌはコーヒーを飲む。
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特別なことをしたつもりはない。
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でも。
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その小さな変化を、
ソヨンは感じていた。
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リビング
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スンチョルが、
仕事用の資料を確認している。
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いつもなら、
集中して周りが見えなくなる時間。
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でも。
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スングァンが通りかかった時。
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「今日、収録だよね?」
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スンチョルが顔を上げる。
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「うん。」
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「ちゃんと寝た?」
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一瞬、
スンチョルが黙る。
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「……。」
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そして笑う。
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「最近、それ聞かれること増えたな。」
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「だって、いつも無理するじゃん。」
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以前なら、
「大丈夫。」
で終わっていた会話。
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でも今日は。
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「ありがとう。」
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その一言が返ってきた。
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キッチン
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ミンギュ。
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朝食を作りながら、
自然に人数分のカップを並べる。
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一つ。
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二つ。
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三つ。
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そして、
最後にもう一つ。
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チアキの分。
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本人は、
特に意識していない。
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ただ、
毎朝コーヒーを飲むことを知っているから。
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「チアキ。」
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「はい?」
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「コーヒー。」
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渡される。
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「ありがとうございます。」
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チアキは受け取る。
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以前なら。
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「すみません。」
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と言っていた。
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でも今は。
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「ありがとうございます。」
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だけ。
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その変化にも、
ミンギュは気づいていた。
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玄関
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出かけるメンバー。
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「行ってきます。」
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「行ってらっしゃい。」
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その言葉も、
もう自然になっている。
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でも今日は。
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少しだけ、
声が優しい。
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誰かが朝食を作る。
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誰かが足りないものに気づく。
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誰かが体調を気にする。
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誰かが帰宅を待つ。
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大きな告白もない。
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特別な出来事もない。
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でも。
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昨日受け取った言葉が、
少しずつ日常を変えていた。
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【STAFF NOTE】
共同生活18日目。
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Diaryの内容は、
誰にも見えない。
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でも、
そこに書かれた気持ちは、
隠しきれない。
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人は、
大切にされた経験があると、
誰かを大切にする方法を覚えていく。
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404 HOUSEでは、
そんな小さな優しさが、
毎日の中に増えていた。
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次回 Scene3
『チアキの休日』
普段は誰かを気遣う側のチアキ。
でも今日は、
少しだけ疲れた姿を見せる。
そして初めて、
支えられる側になる。
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