ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode18

『届いた優しさ』

― 気づかない優しさが、誰かを支えている。 ―

Day:Thursday(共同生活18日目)



Scene4

『気づく人』

Thursday|15:00 PM



午後の404 HOUSE。



静かな時間が流れていた。



リビングには、

チアキとミンギュ。



そして、

小さな生活音だけ。



テレビの音。



カップを置く音。



窓から入る風の音。





ミンギュの帰宅



玄関のドアが開く。



「ただいま。」



「おかえりなさい。」



チアキが振り向く。



いつもの笑顔。



いつもの声。



でも。



ミンギュは少し違和感を覚える。



「……。」



何かがおかしい。



疲れている。



でも、

それを見せないようにしている。





リビング



ミンギュは荷物を置く。



チアキはすぐ立ち上がる。



「何か飲みますか?」



「大丈夫。」



「私、コーヒー淹れます。」



その瞬間。



ミンギュが止める。



「チアキ。」



「はい?」



「今日は。」



少し間を置く。



「何もしなくていいんじゃない?」





チアキは、

少し驚いた顔をする。



「え?」





ミンギュは笑う。



「朝から思ってたけど。」



「今日、休みなのにずっと動こうとしてる。」



「……。」



チアキは言葉に詰まる。





「でも。」



「誰かがやらないと。」



いつもの言葉。



自然に出た言葉。





ミンギュは、

優しく返す。



「いつもチアキがやってる。」





「……。」





「朝の片付けも。」



「みんなの飲み物も。」



「足りないものに気づくのも。」



「誰かが困らないようにするのも。」





「全部。」





チアキは、

少し視線を落とす。





「でも、それは……。」



「私が好きでやっていることなので。」





ミンギュは頷く。



「うん。」



「分かってる。」





「だから余計に。」





「たまには、誰かに任せてもいいと思う。」





その言葉に、

チアキは黙る。





少し前の自分なら



きっと。



「大丈夫です。」



「本当に平気です。」



そう言っていた。





でも。



今日は違った。





「……。」





「疲れているのかもしれません。」





小さな声。





ミンギュは少し驚く。





チアキが、

自分から弱さを認めたから。





「うん。」





「たぶん、疲れてる。」





「でも。」





ミンギュは笑う。





「疲れるくらい頑張ってるってことだから。」





チアキは、

少しだけ笑う。





「ミンギュさん。」





「はい。」





「本当によく見ていますね。」





ミンギュは少し照れる。





「毎日一緒にいるから。」





その言葉。



何気ない一言。



でも、

チアキの心には残った。





夕方



ソファに座るチアキ。



今度は、

本当に休んでいる。



キッチンでは、

ミンギュが夕食の準備をしている。





「手伝います。」



チアキが言う。





「今日はダメ。」



ミンギュが笑う。





「休む日。」





「……分かりました。」





素直に座る。





その姿を見て、

ミンギュは少し嬉しそうに笑った。





【STAFF NOTE】

共同生活18日目。



気づくこと。



それは、

特別な能力ではない。



ただ、

相手をちゃんと見ていること。





いつも支える側の人ほど、

「大丈夫」という言葉の裏側を隠す。





でも。



その小さな変化に気づく人がいることで、

人は初めて、

安心して弱さを見せられる。





次回 Scene5

『休日組の時間』

チアキ、ウォヌ、スングァン、ミンギュ。

以前なら気を遣っていた距離。

でも今は――

自然な会話が増えていく。




ノベルに戻る I Addict