ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode18
『届いた優しさ』
― 気づかない優しさが、誰かを支えている。 ―
Day:Thursday(共同生活18日目)
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Scene8【UNSEEN】
『優しさの置き場所』
Thursday|23:40 PM
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404 HOUSE。
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夜も深まり、
リビングの明かりだけが静かについている。
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それぞれ部屋へ戻り、
一日の終わりを過ごしていた。
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スタッフカメラは、
誰にも気づかれないように、
静かにその時間を記録していた。
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キッチン
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ミンギュが一人、
冷蔵庫を開ける。
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中を確認する。
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水。
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飲み物。
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そして、
小さな紙袋。
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昼間スーパーで買ったもの。
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「……。」
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ミンギュは少し笑う。
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紙袋の中には、
チアキが好きだと言っていた飲み物。
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冷蔵庫の中に入れる。
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「明日、気づくかな。」
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小さな声。
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でも、
すぐに首を振る。
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「いや、別に。」
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誰かに喜んでもらおうとしている。
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でも本人は、
特別なことをしている感覚がない。
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ただ。
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「あったら嬉しいだろうな。」
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それだけ。
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リビング
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その後。
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ミンギュが戻ると、
ソファにはウォヌが座っていた。
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まだ眠れず、
本を読んでいる。
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「まだ寝ないの?」
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ミンギュが聞く。
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「もう少しだけ。」
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「目疲れるよ。」
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ウォヌが少し笑う。
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「ミンギュも人のこと言えない。」
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「俺?」
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「最近、周りばっかり見てる。」
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その言葉に、
ミンギュは少し黙る。
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「そうかな。」
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ウォヌは本に視線を戻す。
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「うん。」
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「前より。」
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短い会話。
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でも、
長く一緒に暮らしているからこそ分かる変化。
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0:10 AM
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チアキの部屋。
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ベッドの横。
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第4回404 Diaryの返事。
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綺麗に折りたたまれた紙。
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チアキはもう一度開く。
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そこに書かれた短い言葉。
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『無理しなくていいと思う。』
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『ちゃんと見ている人はいるから。』
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誰からの言葉なのかは分からない。
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でも。
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今日、
ミンギュに言われた言葉と重なった。
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「いつもチアキがやってる。」
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その言葉を思い出す。
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チアキは小さく笑う。
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「……ありがとうございます。」
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誰に向けた言葉か、
自分でも分からない。
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スタッフモニター
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ディレクターが映像を確認する。
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画面には、
別々の場所で過ごす11人。
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誰かは飲み物を用意する。
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誰かは疲れに気づく。
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誰かは静かに待つ。
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大きな出来事はない。
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でも。
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確実に、
関係は変わっている。
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【STAFF NOTE】
共同生活18日目。
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優しさは、
見せるためにするものではない。
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気づかれなくてもいいと思った瞬間。
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人は一番自然に、
誰かを大切にしている。
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404 HOUSEで生まれているものは、
まだ恋とは呼べない。
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でも。
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「この人がいると安心する」
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その感情は、
少しずつ特別な場所へ向かっている。
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次回予告
Episode19
『いない時間』
共同生活19日目。
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