ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode19
『いない時間』
― いつもある存在が、いない時に初めて大きさに気付く。 ―
Day:Friday(共同生活19日目)
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Scene6
『夜勤へ向かうソヨン』
Friday|20:30 PM
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404 HOUSE。
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夜。
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リビングには、
仕事を終えたメンバーが集まっている。
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テレビの音。
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誰かの笑い声。
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いつもの夜。
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でも。
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今日は、
少しだけ人数が少ない。
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ソヨンの準備
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ソヨンが部屋から出てくる。
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夜勤用のバッグを肩にかけている。
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「行ってきます。」
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その一言に、
リビングの空気が変わる。
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以前なら。
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同じ家に住む人への、
ただの挨拶だった。
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でも今は。
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自然に声が返ってくる。
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「頑張って。」
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スングァンが言う。
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「無理しないでね。」
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スニョンも続ける。
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「眠かったら休憩ちゃんとして。」
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ジョンハンが笑う。
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「夜勤終わったらちゃんと寝るんだよ。」
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ソヨンは少し驚いたように笑う。
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「みんな、保護者みたい。」
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その言葉に、
リビングが笑いに包まれる。
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玄関
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ソヨンが靴を履く。
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ウォヌが玄関まで来る。
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「気をつけて。」
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短い言葉。
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でも。
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最初の頃にはなかった距離。
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「ありがとう。」
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ソヨンが笑う。
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ドアを開ける。
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「行ってきます。」
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「行ってらっしゃい。」
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複数の声が重なる。
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ドアが閉まる。
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リビング
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ソヨンを見送った後。
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一瞬、
静かになる。
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スングァンがソファに座りながら言う。
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「なんかさ。」
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「普通になったよね。」
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「何が?」
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スニョンが聞く。
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スングァンは少し考える。
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「こういうの。」
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「誰かが出かける時に、自然に見送ること。」
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ジョンハンが頷く。
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「最初はただの共同生活だったのに。」
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ウォヌが静かに続ける。
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「今は、一緒に暮らしてる人って感じ。」
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深夜に向かう時間
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チアキはまだ帰っていない。
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ソヨンも夜勤へ行った。
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404 HOUSEには、
いつもより少ない人数。
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でも。
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不思議と寂しくはなかった。
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帰ってくる人がいる。
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待っている場所がある。
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その感覚が、
少しずつ根付いていた。
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【STAFF NOTE】
共同生活19日目。
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「行ってらっしゃい」
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「気をつけて」
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「頑張って」
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何気ない言葉。
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でも、
それを自然に言える関係になるまでには、
時間が必要だった。
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404 HOUSEは、
ただ一緒に住む場所ではなくなっていた。
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誰かの帰りを、
待つ場所になっていた。
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次回 Scene7
『帰宅』
土曜日の深夜。
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長いフライトを終えたチアキが帰宅する。
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そして。
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深夜2時の404 HOUSEで、
誰かがまだ起きていた。
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