ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode21

『HAN RIVER NIGHT』

― 同じ景色を見ることで、知らなかった一面に気づく。 ―

Day:Sunday(共同生活21日目)



Scene5

『自由時間(1時間)』

Sunday|19:00 PM



漢江沿い。



夜の風が少し冷たくなり始める時間。

水面には橋の光が揺れて、

遠くから車の音が小さく聞こえる。



スタッフが全員に声をかける。



「ここから1時間は自由時間です。」



「好きな人と過ごしてください。」



その言葉に、

一瞬だけ空気が変わる。



最初の頃なら、

誰と行動するかを決めるだけでも少し迷っていた。



でも今は。



自然と足が向かう方向があった。



チアキ × ミンギュ



「少し歩く?」



ミンギュが声をかける。



「はい。」



二人は川沿いをゆっくり歩く。



周りにはたくさんの人がいる。

でも、

二人の間には不思議と静かな時間が流れていた。



少し歩いたところで、

チアキが夜景を見る。



「韓国に来たばかりの頃は。」



突然、チアキが話し始める。



ミンギュが横を見る。



「こんな風になると思ってなかったです。」



「どんな風?」



チアキは少し笑う。



「こんなに普通に話せるようになること。」



「最初、みなさんすごく遠い存在に感じていました。」



ミンギュは黙って聞く。



川を見るチアキの横顔。



最初の頃の緊張した表情とは違う。



今は、

少しだけ安心した顔をしている。



「俺も。」



ミンギュが言う。



「最初はどう接したらいいか分からなかった。」



「チアキはいつも気を遣ってたから。」



チアキが少し驚いて見る。



「分かってたんですか?」



「分かるよ。」



ミンギュは笑う。



「ずっと周り見てたから。」



その言葉に、

チアキは少し黙る。



褒められたわけでもない。

特別な言葉でもない。



でも。



自分がしていたことを、

誰かがちゃんと見ていた。



その事実が、

静かに心に残る。



「ミンギュさんも。」



「はい?」



「意外と周り見てますよね。」



ミンギュが少し笑う。



「意外って(笑)」



「なんとなく、もっと自分のことだけ考えてる人なのかなって。」



「ひどい(笑)」



二人で笑う。



でも。



その笑い声は、

前よりずっと自然だった。



ウォヌ × ソヨン



少し離れた場所。



二人はベンチに座り、

静かに夜景を見る。



「寒くない?」



ソヨンが聞く。



「大丈夫。」



少し間を置いて。



「ソヨンは?」



「私も大丈夫。」



二人とも、

無理に会話を続けようとはしない。



でも。



沈黙の中で、

相手が隣にいることを感じていた。



スンチョル × ジウォン



橋の光を見ながら、

仕事の話をしている。



「休みの日って何してる?」



「意外と普通ですよ。」



「普通って?」



「掃除したり、映画見たり。」



スンチョルが笑う。



「この家と変わらないね。」



「確かに。」



二人とも笑う。



ジョンハン × ユナ



屋台を見ながら歩く。



「こういう時間って久しぶり。」



「忙しいと忘れるよね。」



「何を?」



「何もしない時間。」



その言葉に、

二人とも静かに頷く。



スニョン × チェリン



写真を撮り合う。



「笑って。」



「無理、恥ずかしい。」



「いつも笑ってるじゃん。」



「カメラ向けられると違う。」



そんな会話で笑う。



スングァン



一人で歩きながら、

みんなの写真を撮る。



笑っている顔。

夜景を見る横顔。



「いい写真撮れた。」



小さく呟く。



途中で、

チアキとミンギュを見つける。



「二人とも写真撮る?」



「お願いします。」



三人で並ぶ。



スングァンがスマホを構える。



「もっと近く。」



「え?」



「写真だから(笑)」



二人が少しだけ距離を縮める。



シャッター音。



その一瞬。



誰も特別な意味を考えていない。



でも。



後から見返した時、

きっと思い出す写真になる。



【STAFF NOTE】

自由時間。



選んだ相手は、

今の自分が自然に近づきたいと思う相手。



恋なのか。

友情なのか。



まだ誰にも分からない。



ただ。



「一緒にいたい」

と思う瞬間が、

少しずつ増えている。



次回 Scene6

『夜景の下』

11人で見る最後の漢江の景色。



同じ場所にいるのに、

それぞれ違う想いを抱えながら見る夜。




ノベルに戻る I Addict