ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode3

『秘密のプロフィール』



Scene5

【UNSEEN(未公開映像)】

『カメラに映らなかった会話』



深夜0時17分。

ROOM 404。



放送では、

チアキが「好きなタイプ」を答えた場面で終わっていた。



しかし。



実際には、

その後にも少しだけ続きがあった。



誰も知らない時間。



固定カメラだけが記録していた。





放送終了後



リビング。



チアキが食器を片付けている。



その向かい側。



ウォヌが座っていた。



珍しく、

本を開いていない。





「ウォヌさん」



チアキが気付く。



「まだ寝ないんですか?」



「少しだけ」



「何か考え事ですか?」





ウォヌは少し間を置く。



「チアキさんも」



「考え事していましたか?」





質問に質問で返され、

チアキは少し笑う。



「分かります?」





「少し」





沈黙。



でも、

気まずい沈黙ではなかった。





【UNSEEN】

スタッフメモ。



この時、

ウォヌは初めて自分から会話を続けようとしていた。





普段のウォヌは、

必要以上に話さない。



相手を観察して、

言葉を選ぶ。





しかし。



この夜だけは違った。







「恋愛が苦手って言っていましたよね」





ウォヌが言う。





チアキの手が止まる。





「はい」





「理由は」



少し間。



「聞いても大丈夫ですか?」





その聞き方だった。



踏み込むのではなく、

許可を求める聞き方。





チアキは少し考える。





「……大丈夫です」





「でも」





「簡単な話ではないです」







ウォヌは頷く。





「僕も」





「人に話せないことがあります」





チアキが見る。





「ウォヌさんも?」





「あります」







彼は少し視線を落とす。





「書く仕事をしていると」



「自分の経験を使うことがあります」





「でも」





「それで誰かを傷つけたことがあります」





チアキは黙って聞く。





「だから」





「相手の話を勝手に作品にしたり」



「自分の中だけで判断したりしないようにしています」







チアキは少し驚く。





昨日まで。



ウォヌは、

静かな小説家。



それだけだった。





でも。



静かな人にも、

静かな理由がある。





「ウォヌさん」





「はい」





「優しいですね」







ウォヌは少し笑う。





「そう見えるなら」



「よかったです」







別の場所



同じ時間。



2階。



男性部屋。





ミンギュはベッドに座っていた。



スマホには、

今日撮影した写真。





庭作業。

朝食。

リビング。





11人の自然な表情。





その中に、

チアキが写っている写真があった。





庭で、

土のついた手袋を持ちながら笑っている。





ミンギュは少し見て、

スマホを伏せる。





「……」





【Interview】

ミンギュ。



「写真を見ていたのは」



「特別な意味はないです」





少し笑う。





「その日の記録を見ていただけです」





スタッフ。

「チアキさんの写真でした」





「……そうですね」





少し間。





「でも」





「最初の印象と少し変わったなと思いました」







さらに深夜



午前1時05分。



キッチン。



ジョンハンが水を飲みに来る。





そこで、

テーブルの上に置かれたメモを見つける。





明日の買い出しリスト

* 洗剤
* キッチン用品
* 朝食用の食材



その横に小さな文字。





「みんなが使いやすいもの」





ジョンハンはそれを見る。





そして。



小さく笑う。





「やっぱり」





誰にも聞こえない声。







【STAFF NOTE】

スタッフが編集作業中、

あることに気付いた。



Episode1。



チアキは、

「優しい日本人参加者」

だった。



Episode2。



「気遣いのできる同居人」

になった。



Episode3。



「自分も傷ついた経験を持つ一人の人間」

になった。





しかし。



もう一つ変化していたものがある。





周囲のメンバーの視線。





助けてあげたい。



もっと知りたい。



話してみたい。





その感情はまだ、

恋ではない。





でも。



人を特別に見る最初の瞬間は、

いつも小さな興味から始まる。





【視聴者コメント(放送後SNS)】

「ウォヌとチアキの会話、静かすぎるのに刺さる」

「ジョンハンの“自分のことも見てあげて”が優しすぎる」

「ミンギュ、チアキ見る時だけ表情違わない?」

「まだ恋愛じゃないのが逆にリアル」

「ROOM404って派手な展開ないのに、全員のこと好きになってくる」



Episode3 完



Episode4

『距離の測り方』




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