ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―
Episode23
『変わり始めた視線』
― 気づかない優しさが、少しずつ特別になっていく。 ―
Day:Tuesday(共同生活23日目)
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Scene7
【UNSEEN】
Wednesday|01:30 AM
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404 HOUSE。
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すべての部屋の明かりが消えた深夜。
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静かな家の中に、
時計の針の音だけが響いている。
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キッチン
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小さな明かりがつく。
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ミンギュ。
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水を飲みに来ただけ。
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そう思っていた。
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でも。
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キッチンへ来た理由は、
それだけではなかった。
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テーブルの上。
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チアキが置いたままにしていた鞄。
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その横には、
今日使った仕事用の小さなポーチ。
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ミンギュは一瞬、
そのまま通り過ぎようとする。
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でも。
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床を見る。
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小さな紙袋。
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帰宅した時に置いたものだろう。
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少しだけ傾いている。
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「……。」
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ミンギュは自然に手を伸ばす。
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邪魔にならない場所へ移動する。
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ただ、それだけ。
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でも。
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その動作はあまりにも自然だった。
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スタッフ
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「気づいたんですか?」
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背後からスタッフの声。
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ミンギュは少し振り返る。
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「何がですか?」
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「チアキさんの荷物です。」
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ミンギュは少し考える。
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「床にあったから。」
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短い返事。
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スタッフ
「それだけですか?」
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ミンギュは少し困ったように笑う。
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「……それだけです。」
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でも。
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その視線は、
移動させた荷物に一瞬戻る。
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リビング
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ミンギュはソファへ戻る。
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さっきまでチアキが座っていた場所。
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ほんの少しだけ、
温度が残っているような気がした。
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「……。」
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自分でも、
何を考えているのか分からない。
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ただ。
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帰ってきてくれてよかった。
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疲れているのに笑っていた。
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少しだけ頼ってくれた。
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そんな小さな出来事が、
一日の最後に残っていた。
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スタッフNOTE
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優しさは、
特別なことをすることだけではない。
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相手が気づかない場所で、
そっと整えておくこと。
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いつもの日常を、
少しだけ過ごしやすくすること。
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そして。
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その「いつも」の中に、
特定の誰かが増えていく時。
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人の気持ちは、
静かに形を変えていく。
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ミンギュはまだ知らない。
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ただ心配しているだけだと思っている。
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ただ同じ家で暮らしているからだと思っている。
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でも。
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気づかないうちに、
彼の中でチアキの存在は、
少しずつ「特別」に近づいていた。
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次回予告
Episode24
『近づくほど、言えない』
Wednesday
共同生活24日目。
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いつもの朝。
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いつもの会話。
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でも、
少しずつ変わっていく視線。
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そして、
第6回404 Diary。
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誰にも言えない気持ちが、
少しずつ文字になっていく。
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