ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode4

『距離の測り方』



Scene2

『家事分担の見直し』



午前10時。

ROOM 404 リビング。



朝食を終えた11人が、

ダイニングテーブルを囲んでいた。



テーブルの上には、

ホワイトボード。



そこには、共同生活初日に決めた家事分担が書かれている。



* 料理
* 掃除
* 洗濯
* ゴミ出し
* 買い出し



「そろそろ一度見直しませんか?」

ジウォンが切り出した。



「4日過ごしてみて、実際と違うところもありますし」



「賛成です」

ユナが頷く。



「無理を続けるより、その人に合った役割にした方がいいですよね」



全員が頷いた。



ゴミ出し



「まず……」

スングァンがホワイトボードを見る。



「ゴミ出し。」



全員の視線が、

自然とスンチョルへ向く。



スンチョルは少し苦笑した。



「そんなに見ないでください」



「だって」

ミンギュが笑う。



「毎日スンチョルさんじゃないですか」



「本当に。」

ソヨンも笑う。



スンチョルは肩をすくめた。



「朝早く起きるので、そのついでです」



「でも」

ジョンハンが穏やかに口を開く。



「ついででも、毎日は負担になります」



「交代にしましょう」



「僕もやります」

ミンギュがすぐに言う。



「僕も」

スングァンが手を挙げる。



「朝は弱いですけど、頑張ります」



「信用していいんですか?」

チェリンが笑う。



「ちょっと待ってください!」



リビングに笑い声が広がる。



結局、

ゴミ出しは曜日ごとの当番制になった。



スンチョルは少し安心したように笑った。



洗濯



「次は洗濯です」

ジウォン。



ジョンハンが口を開く。



「今のところ量は問題ないですね」



「ただ」



「タオルだけ増えるのが早いです」



「あ……」

スニョンが苦笑いする。



「僕ですね」



「ダンスすると汗をかくので」



「それなら」

ソヨンが提案する。



「スポーツタオルは各自で管理しませんか?」



「その方が分かりやすいですね」

チアキも頷く。



「共有のものと分けた方が、洗濯もしやすいと思います」



「決まりですね」

ジウォンがメモを書く。



掃除



「掃除はどうですか?」



ユナが部屋を見回す。



「リビングは綺麗ですよね」



「誰かが気付いたらやってますよね」

チェリン。



その言葉に、

スングァンが笑いながら言う。



「“誰か”って、大体チアキさんです。」



「え?」



チアキが目を丸くする。



「そんなことないですよ」



「あります。」

ミンギュが即答する。



「昨日もソファのクッション直してましたよね?」



「あと、テーブルも。」

ソヨン。



「玄関のスリッパも。」

ユナ。



チアキは少し恥ずかしそうに笑う。



「気になっちゃうだけです」



「仕事柄?」

ジョンハンが聞く。



「はい。」



「飛行機って、お客様が見えないところも整えておくので。」



「癖ですね。」



スンチョルが静かに言う。



「でも、その癖に甘えすぎないようにしましょう。」



全員がスンチョルを見る。



「チアキさんが気付く前に、僕たちも気付けるようになった方がいい。」



数秒。



静かな空気。



チアキは少し驚いたような表情を見せた。



「……ありがとうございます。」



その一言だけだった。



小さな意見の違い



「でも」

チェリンが口を開く。



「私、一つだけ気になることがあります。」



「何ですか?」

ジウォン。



「料理した人は、食器洗いをしなくてもいいんじゃないですか?」



「確かに。」

ソヨンが頷く。



「作るだけでも大変ですし。」



一方で、

ユナは少し考える。



「でも毎回決めると複雑になりませんか?」



「その日の人数によっても違いますし。」



少しだけ、

意見が分かれる。



初めてだった。



ROOM 404で、

考え方の違いがはっきり見えた瞬間。



その時。



チアキがゆっくり口を開く。



「その日によって決めるのはどうでしょう?」



全員が彼女を見る。



「料理を一人で作った日は、他の人が洗う。」



「みんなで作った日は、みんなで片付ける。」



「“今日はありがとう”っていう気持ちで。」



静かになる。



数秒後。



「それ、いいですね。」

ジョンハンが微笑む。



「シンプルです。」



「僕も賛成です。」

スンチョル。



「その日の状況で決めた方が、無理がないですね。」



「決まり!」

スングァンが手を叩く。



「これで僕も洗い物から逃げられません!」



「最初から逃げる前提なんですね。」

チェリンのツッコミに、

また笑いが起こる。



【Interview】

ジウォン。



「共同生活って。」



「価値観が同じ人だけでは成り立ちません。」



「違う意見が出た時に、どう折り合いをつけるか。」



「今日、それが少し見えた気がしました。」



【Interview】

チアキ。



「正解を言ったつもりはありません。」



「ただ。」



「誰かだけが我慢する形にはしたくなかったんです。」



「3ヶ月、一緒に暮らす家なので。」



【STAFF NOTE】

共同生活4日目。



初めての”生活のズレ”。



しかし、

11人は勝ち負けではなく、

“ちょうどいい答え”を探していた。



それは恋愛よりも難しく、

そして、

共同生活では何より大切なことだった。



午後になると、

それぞれが思い思いの時間を過ごし始める。



“誰と一緒にいると自然なのか。”



それは、

誰も意識していないのに、

少しずつ形になり始めていた。



Episode4 Scene3

『自由時間』




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