ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode26

『言葉にならない距離』

― 気づいているのに、まだ名前をつけられない感情。 ―

Day:Friday(共同生活26日目)



Scene2

『それぞれの予定』

Friday|午前



404 HOUSE。



朝の慌ただしさが落ち着き、

少しずつ家の中から人が減っていく。



玄関に並んでいた靴も、

一つ、また一つと消えていく。



「行ってきます。」



「頑張って。」



「気をつけて。」



以前なら、

ただの挨拶だった。



でも今は。



その一言のあとに、

相手の一日を少し想像するようになっていた。





スンチョル



仕事へ向かう準備を整える。



スマホには、

今日の予定がいくつも並んでいる。



責任ある立場だからこそ、

誰よりも周りに目を配る。



出発前、

リビングをひと通り見渡す。



忘れ物はないか。



まだ起きていない人はいないか。



それはもう、

リーダーとしてだけではなく、

この家の一員としての習慣になっていた。





ジョンハン



今日は休日。



静かなリビングで、

コーヒーを飲みながら過ごす。



窓の外を眺めながら、

ふと誰かの帰宅時間を気にしている自分に気づく。





「変わったな。」



小さく呟く。





一人の時間は、今も嫌いじゃない。



でも。



誰かがいる安心感も、

悪くないと思うようになっていた。





スニョン



レッスンへ向かう準備をする。



鏡の前で髪を整えながら、

昨日までの日々を思い返す。



最初は、

どう接すればいいか分からなかった。



でも今は、

自然に名前を呼べる。



自然に心配できる。





その変化が、

少し嬉しかった。





ウォヌ



作業の日。



静かな部屋で、

パソコンに向かう。



集中しているはずなのに、

ふと時計を見る。





「そろそろ出る時間かな。」





誰に言うでもなく、

小さく呟く。





誰かの予定を覚えていること。



それが当たり前になっていることに、

自分でも少し驚いていた。





ミンギュ



会社に着いている。



デスクでスマホを確認する。



404 HOUSEのグループ通知。



特別な連絡ではない。



ただの予定共有。





それでも、

表示された名前を無意識に目で追ってしまう。





チアキ。



午後勤務。



帰宅予定。





「……。」





気づけば、

時間まで覚えていた。





スングァン



出発前の部屋で、

台本を確認しながらふと笑う。



404 HOUSEでの出来事。



誰かとの会話。



何気ない時間。





仕事とは違う場所でできた思い出が、

最近は増えている。





ユナ



会社へ向かう途中、

仕事の予定を確認する。



その合間に、

404 HOUSEで過ごす時間を思い出す。





誰かと一緒にいること。



気を遣わず話せること。





以前より、

家に帰るのが楽しみになっていた。





ソヨン



夜勤前。



昼間の時間を使って準備を進める。



制服を整えながら、

リビングに目を向ける。





夜に戻ってきた時、

誰かが「おかえり」と言ってくれる。





その安心感を、

いつの間にか大切にしていた。





ジウォン・チェリン



それぞれの予定へ向かう。



友人との時間。



仕事の時間。





404 HOUSEとは別の一日。



でも、

離れている時間にも、

あの家の空気を思い出す。





チアキ



午後勤務まで、

まだ少し時間がある。



キッチンを片付け、

テーブルに目を落とす。



朝の時間に残った、

誰かのカップ。



誰かが置いたメモ。



共同生活の痕跡。



以前なら、

全部自分が整えなければと思っていた。



でも今は、

誰かが自然に手を貸してくれる。



その変化に、

まだ少し慣れない。



バッグの中身を確認しながら、

出勤前の時間を過ごす。



窓の外を見て、

今日の空気を確かめる。



それでも。



帰ってくる場所があると思えるだけで、

少し心が軽くなる。





【STAFF NOTE】



同じ家にいても、

同じ時間を過ごさなくても。





人との距離は、

少しずつ変わっていく。





離れている時に思い出す。



帰ってくる場所を考える。





その小さな変化が、

気づかないうちに、

誰かを特別な存在へ変えていく。





次回 Scene3

『突然のお願い』



出勤前のチアキに、

あるお願いをする人がいる。



いつも支える側だった彼女が、

誰かに頼られるだけではなく、

誰かを頼る時間になる。




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