ROOM 404 ― 恋愛禁止の家で、秘密と恋が始まる ―

Episode26

『言葉にならない距離』

― 気づいているのに、まだ名前をつけられない感情。 ―

Day:Friday(共同生活26日目)



Scene7【UNSEEN】

『まだ言葉にしていない答え』

Friday|深夜



404 HOUSE。



時計の針は、

午前1時を回っていた。



リビングの明かりは落ち、

それぞれの部屋に、深い静けさが沈んでいる。



昼間の笑い声。



夜の会話。



一日の熱が、

少しずつ余韻へ変わっていく時間。





スタッフは、

11人に同じ質問を投げかけた。





「もし今、一人だけともっと話せるなら?」





答えは、

まだ公開されない。





スンチョル



少し考えてから、口を開く。



「……もっと知りたい人は、います。」





「でも。」





「今は、誰か一人を選ぶより。」





「この家のみんなと、ちゃんと話したいです。」





責任を背負う立場だからこそ、

誰かだけを見つめる前に、

全員を守ろうとする。





ジョンハン



「話したい人?」





ふっと笑う。





「いますよ。」





「でも、その人が話したいと思った時に、ちゃんと隣にいられる人でいたいです。」





先に踏み込むより、

相手が近づける余白を残す。





それが、

ジョンハンらしい優しさであり、

少しだけ臆病な距離の取り方だった。





ウォヌ



少しの沈黙のあと、

静かに答える。



「……静かな時間を、一緒に過ごせる人。」





それだけ言って、

わずかに目を細める。





言葉が多くなくてもいい。



隣にいるだけで、呼吸が整う。





そんな関係を、

何より大切にしている。





スニョン



「もっと話したい人?」





明るく返そうとして、

一瞬だけ言葉が止まる。





「います。」





「でも、楽しい話だけじゃなくて。」





「その人が、ほんとは何を考えてるのか……もっと知りたいです。」





笑顔の奥にあるものまで、

見逃したくない。





その気持ちは、

まだ誰にも言っていない。





スングァン



「話したい人……。」





少し考えてから、

笑う。





「いっぱいいますよ。」





「この家、最初よりずっと話しやすくなったから。」





でも。



一瞬だけ、視線が落ちる。





「それでも、もっと知りたいって思う人は、います。」





その答えは、

まだ胸の奥にしまったまま。





ミンギュ



スタッフ。

「ミンギュさんは?」





すぐには答えない。





少しだけ、考える時間が落ちる。





「……います。」





短い答え。





スタッフ。

「どんな人ですか?」





ミンギュは、少しだけ笑う。





「一緒にいて、力まなくていい人です。」





「頑張らなくても、気まずくならない人。」





「その人がいると、家の空気が少しやわらぐ気がします。」





言葉にして初めて、

自分でも気づく。





なぜ、

帰宅時間が気になるのか。



なぜ、

疲れていないか、つい目で追ってしまうのか。





でも。



まだ、

それを恋だとは呼べない。



呼んでしまったら、

戻れなくなる気がしていた。





チアキ



スタッフ。

「もっと話したい人はいますか?」





チアキは少し考える。





「……います。」







「でも。」





少し困ったように笑う。





「誰か一人というより、みなさんともっと話したいです。」





「まだ知らないことが、たくさんあるので。」





その答えは、

チアキらしかった。





誰かを特別に選ぶ前に、

まず相手を知ろうとする。





そのまっすぐさが、

ときどき誰より危うい。





UNSEEN映像



深夜。



ミンギュが自室へ戻る前、

ふとリビングを振り返る。



誰もいない空間。





テーブルの上には、

チアキが使っていたマグカップが残っている。





一瞬だけ、足が止まる。





そして、

小さく息を吐く。





「……。」





何かを言いかけて、

飲み込む。





まだ名前のない感情。





でも。



確かに、

そこにある。





【STAFF NOTE】



人は、

気づいた瞬間に恋をするわけではない。





いつの間にか、

その人がいることを前提にしてしまう。





帰宅を待つ。



声を探す。



姿を追ってしまう。





その小さな変化に、

本人だけが、まだ気づいていない。





次回 Scene8

『次のイベント予告』



404 HOUSEに届いた、

新たな通知。



404 Choiceまで、

残りわずか。



11人は、

それぞれの気持ちと向き合う時間へ進んでいく。




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